新人に英語本500冊を読破させる会社

クレハ、超過劇な英語勉強法

クレハは昨年春に入社した約40人の新入社員全員を対象に「英書多読プログラム」を導入した。その内容は、約3年で約500冊を目標に、英文の小説やドキュメンタリーを貸し出して読ませるというものだ。

英語力の底上げという狙いは理解できる。クレハは化学メーカであり、アメリカ、ドイツ、オランダ、フランス、イギリス、中国、ベトナムに製造・販売拠点を持ち、早くからグローバル展開してきた。中期経営計画も「Grow Globally」と命名されている。

クレハの山田文彦人事部長

海外での事業拡大に伴って英語の重要性が増しており、新入社員の語学力を早期に高めようとの狙いからの施策だろう。語学力養成の方法として多読法は目新しいが、英語に慣れるという意味では効果がありそうだ。

しかし、500冊は過激である。そもそも学生の多くは、日本語の書物でさえ学部の4年間で500冊も読んでいないだろう。どんな英書を読ませるのか? どういう読み方を推奨しているのか?効果はあるのか?

クレハ本社に山田文彦人事部長を訪ね、導入の経緯、施策の詳細、他の語学力養成への取り組みについて聞いた。

――「英書3年で500冊を」という新聞記事には驚きました。こういう施策を導入された背景を教えてください。

クレハの事業は安定的に推移しており、グローバル展開も順調だ。ただ、事業はグローバル化したが、人のグローバル化が遅れており、育っていない。そしてグローバル人材は促成栽培できるようなものでもない。

ここで、「グローバル対応能力とは何か」ということを考える必要がある。グローバル対応能力とは、語学力や異文化対応力を挙げられることが多い。しかし、基本は国内事業もグローバル事業も同じ。指示待ちではなく、課題を自分で見つけ、壁を超えていく力、チームを引っ張っていく力である。

そういう前提を踏まえたうえでも、やはり英語力は必要だ。そこで抜本的な方法を導入したいと考えた。

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