新人に英語本500冊を読破させる会社 クレハ、超過劇な英語勉強法

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英書を読むというと、わからない言葉を辞書で引きながら読むというイメージを持つ人がいるかもしれないが、多読法では辞書を引かないのが原則。辞書を引かず、前に戻らず、面白くなかったら次の本に移るという読み方をする。丁寧に読むのではなく、速く読むのが大事だ。

これらの英書は難易度、ボリュームにより6~7段階に分かれており、自分の力に合ったグレードの本を読む。そして1分間に何語読めるのかを確認する。

あるグレードの本で1分100ワードなら合格だが、85ワードなら無理なので下のグレードの本にする。逆に1分150ワードのスピードならそのグレードは卒業して次のグレードに進む。今年の新入社員だけでなく、2013年入社の内定者にも1回に1人5冊ずつ英書を送って読んでもらっている。

私が実験台になって確認した

――3年間で300万語の多読法による語学力育成のゴールはあるでしょうか?

多読法による効果測定については、私自身が実験台になって確認した。一昨年の11月から昨年2月までの4カ月間で500冊以上の英書を読み、トータルで250万語に達した。その結果私のTOEICスコアがかなり向上した。

クレハでは半年に1回TOEICテストを実施しているが、私のスコアは720~730程度だった。しかし250万語を読んでからのTOEICスコアは875だった。150もスコアが上昇したのだ。

300万語を読み終えた3年後をメドに、新入社員40名には「全員がTOEIC900点以上になれ」と檄を飛ばしている。

――3年間300万語以外に、語学力を育成するための施策はありますか?

語学力は、読む(Reading)、聞く(Listening)、話す(Speaking)、書く(Writing)で構成されている。990点が満点のTOEICはこの4つの能力のうち、ReadingとListeningによって採点されている。しかしビジネスではSpeakingができなければ役に立たない。そこで今後はスピーキングのテストも実施したいと考えており、現在テストを選定中だ。

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