さらに、こんな会話も聞こえてきました。
上司 「んー、ちょっといいかね」
部下 「はい」
上司 「んー、君は、あれだ。そのータフだから、もっと働けるんじゃないか?」
部下 「はい?」
上司 「んー、なんていうか、その、営業は、ハードワーカーなんだ!5時になったらそそくさと帰社するのではなくて、もっとお客様のために尽くして当然じゃないかね!」
部下 「 ええ。お客様のためなら尽くして当然だと思います」
上司 「 うんうん。んー、だからね、まずは、夜の接待には必ず付き合いたまえ。いいかね?必ず付き合うんだぞ?君はな、いまのままだと、その、あれだ。甘えすぎだ」
部下 「はい…」
女性部下のイライラが伝わってきそうなすれ違いトークです。このようにデリカシーのない男性上司の発言。大げさだと思われるかもしれませんが、現実に存在しているのですから侮れません。
女性部下は夜の接待に付き合うべきか?
この男性上司は、自分のこれまでの経験から学んだ偏った視座から、男女関係なく部下は接待に付き合うべきだと考えているわけですが、いくら女性部下がタフそうに思えたとしても、やはり女性に夜の接待の強要は酷です。
ある会社の女性社員は「私の会社は、接待のために料亭、ゴルフ、キャバクラ、SMクラブ…なんでもありです。キャバクラなんて、男性は嬉しいのかもしれないけど、私は絡まれるだけだし、正直、自分より若くて露出度の高い女の子が上司を目の前にして横にいたら、あまり気分のいいものではないし、本当に苦痛でしかない」と辛そうに語ってくれたことがありました。実際、このようなセクハラやパワハラによって「うつ」になってしまう人もいるのです。
そしてこの上司のように、「自分の今までの経験」だけでハードワークを相手に課し、部下を辟易させてしまうのもNGですね。きっと上司にとっては「彼女はタフだし、キツイこと言っても大丈夫だろう」と察したことでしょうが、当の彼女はナイーブで、表面では愛想笑いをしていても胸の内ではグサリと傷つき、誰にも相談できないまま憂鬱となる、なんてことがあるのです。
そうならないよう、直接彼女にきいても状況がわからない場合は、第三者を通じて「彼女は大丈夫か?」と尋ねるのも効果的ですね。
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