あなたのスマホがサイバー犯罪に狙われる FBI捜査官が明かすサイバー犯罪のいま(上)

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FBIのマキューン氏はランサムウェアに絡んだ事件における捜査の成果を語る。ランサムウェアは、コンピュータ内のシステムを使用不可能にし、データを人質にとることで、身代金(ランサム)を要求するソフトウエアのことだ。

「実際の犯罪者はある国にいて、サーバーが3つの国に点在し、銀行はさらにまた別の国という事件だった。犯罪者は全然別のところにいたが、これは国際的な捜査協力によって成功裡に犯罪者を捕まえることができた」

かなり手ごわい犯罪者だったようだが、こうした相手に対しても国際協力の成果は着実にあがっているようだ。

ウォーレン氏はブタペスト条約の意義も強調する。サイバー犯罪条約とも呼ばれるものだ。

「I love youウイルスはもともとフィリピンで書かれたコード。フィリピンでは法律が制定されていなかったため、実際の犯罪者がわかっていたのに、訴追することができなかった。しかし、それ以降、ブタペスト条約に遵守するかたちで、少なくとも犯罪者がもしフィリピン国内にいた場合には、訴追する権利を与えるということで改訂が行われた」

地方警察の手に余る

シマンテックのン氏は捜査の課題についてこんな見解を述べた。

「各国のサイバー犯罪、捜査に対する能力を高める認識はあるものの、その能力は、それを担う中核の人たちに集中している。しかし、実際の事件は、どこか地方の警察の方がまず対応し、犯罪者がいたら逮捕して、PCなどのマシンを中央の警察当局へと持っていく。

そのときに、コンピュータに何も入っていなかったり、すべての情報がクラウド経由のケースもある。パスワード、あるいはアカウント名を入れない限り、情報を取り出せないことも。高度な暗号化技術を犯罪者が扱う場合、すべてが破壊されている可能性もあり、捜査が難しい。こういう声は各国の警察から上がっている」

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