スマホに復活する「タイムマシン経営」 回れ回れインターネットゴーラウンド

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筆者はこのところ、「LINE POP」というスマートフォンゲームにドハマりしている。電車でプレーしていて乗り過ごすこと3回。先日など、プレーの合間に慌てて電車を降りると、1つ前の駅だった。乗り過ごすだけではなく、降り早まる。うっかりミスの新しい境地を開拓し、むしろすがすがしい。

LINE POPは、11月半ばの公開から12日で世界1000万ダウンロードを突破したという超人気アプリだ。人気のメッセージ&無料通話アプリ「LINE」と連携したゲームで、7×7のマスに入ったキャラクターの絵柄を上下左右に動かし、同じ絵柄を縦横に3つそろえると消えるという単純なパズルゲーム。絵柄をたくさん消した時の爽快感が病みつきになるうえ、友人とゲームアイテムの「ハート」を送り合って協力したり、友人の点数がランキングを見て「友人に負けまい」とついついやり込んでしまう。

ただ、この種のゲームはまったく目新しいものではない。ゲームの歴史を振り返ると、10年ほど前から、端末やプラットフォームを換えては繰り返しリリースされ、ヒットしてきている。

最も近い例では、LINEとほぼ同じ機能を持つ韓国発のメッセージングアプリ「KAKAO Talk(カカオトーク)」の「Ani Pang(エニパン)」というゲームがある。あのKARAのメンバーもハマり、今年7月の公開から2カ月強で2000万ダウンロードを突破したというAni Pangは、びっくりするほどLINE POPにそっくりだ。というかたぶん、LINE POPはAni Pangをかなりパクって参考にして作られていると思う。

人気サービスの模倣から発展していくのは、ゲーム・ネット業界の常。Ani Pangも、過去のヒットゲームを参考にして作られていると考えた方が自然だ。“同じ模様を3つ合わせて消す落ちゲー”の起源をさかのぼると、2001年にブラウザゲームとしてヒットした米国発の「Bejeweled」、Bejeweledを参考に02年に公開され、ブラウザゲームや家庭用ゲーム機で人気だった国産の「ZOO KEEPER」にまで行き着く。(BejeweledやZOOKEEPER以前にも、キャラクターの絵柄を消す「ぷよぷよ」のような“落ちゲー”は人気だった)。

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