そして最後に私が心掛けたのは「でも順応するのとは違う」ということです。要するにいかに謙虚で控えめであっても、言うべきことはきちんと言います。
とても勇気がいることですが、大勢が決まりかけていても正しいと思ったことは、空気を読まずに指摘する。自分より年上であろうが、経験豊かであろうが、決して臆さない。「嫌われるかも……」とか「これまでの関係が崩れるかも……」とは考えない。
私が微力ながらどうにかここまでやってこられたのは、上に述べたようなことを無手勝流に組み合わせてやってきたからだと思っています。
ただ、ここまでお読みいただいて、多くの方がこう感じるかもしれません。いずれも言われるまでもなく当たり前のことだと。
能力よりも、「やるかやらないか」の問題
私なりに今回の稿の最後に指摘したいのは、これらの心掛けはいずれも能力ではなく、やるかやらないかの問題だということです。誰にでもできます。
でもこのようにシンプルなことを、飽きもせず繰り返すことはとても困難です(私自身も朝誰よりも早く、夜誰よりも遅くと書きましたが、つねに継続できているかというと正直苦しいところもあります)。
結局のところ、人間関係を構築する魔法の杖はありません。なぜなら相手の数だけ関係構築のあり方が存在するからです。それに、そもそもそんな魔法の杖が存在したとすれば、その能力を誰でもすぐに身につけ、結果として、その能力はあっという間に陳腐化し価値を失うでしょう。
人間関係構築に限らず、取り組むことが難しいことこそつねに王道しかない。単純なことの地道な繰り返ししかない。効率的に答えに向かわない癖を自分自身にしつけること。結局のところ、それが一番効率的なのかもしれません。
※本文は筆者の個人的見解であり、所属する組織・団体を代表するものではありません
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