原発事故で困窮する福島県の企業、「このままでは力尽きる」--深刻な風評被害の実態

原発事故で困窮する福島県の企業、「このままでは力尽きる」--深刻な風評被害の実態

東京電力福島第一原子力発電所の事故が、福島県内の企業に深刻な影響をもたらしている。

原発から100キロメートル以上離れた南会津町の「リゾートイン台鞍」は、例年の夏休みであれば、首都圏から来た部活動合宿の大学生や高校生でにぎわっていたはずだった。2010年には延べ13の大学や高校からの775人の学生が宿泊した。ところが、震災・原発事故が起きた今年はキャンセルが相次ぎ、予約はわずか1大学、20人にとどまっている。

白虎隊の悲劇で知られる会津若松市内の飯盛山の参道入り口では、お盆休み直前にもかかわらず、観光客の姿はまばらだった。土産物店「民芸の館 松良」の大塚真司専務は、「放射線量は関東とほとんど変わらない。それなのに観光客は例年の1~2割程度」と打ち明ける。

会津若松観光物産協会の渋谷民男統括本部長は、小中学校による「教育旅行」(修学旅行や林間学校)の激減に衝撃を受けている。

「昨年の4~7月には、県外から530校、4万3074人の児童生徒が教育旅行で会津若松市を訪れた。ところが今年はわずか29校、2363人。昨年秋には311校が来てくれたが、今年は多くても80校。大半が長野県や岩手県などに方面変更している」(渋谷統括本部長)。

同協会では7月26日から翌日にかけて、千葉県内の小中学校55校を職員が手分けして訪問。「来年は再び会津に来てください」と訴えたが、色よい返事をもらうことができなかったという。

「原発事故への不安、余震、受け入れ体制への懸念を理由として挙げる学校が多かった。来年は無理でも、せめて再来年はお願いしますと頭を下げてきたが、いったん離れた教育旅行を取り戻すことは極めて難しい」(渋谷統括本部長)。

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