信頼関係を築くための3つの王道

誰よりも働き、謙虚に。でも、言うべきことは言う。

私の場合、第一に理屈抜きに誰よりも働き、職場での絶対時間をとにかく増やしました。とにかく口を出す前にその内容を体で示しました。

朝誰よりも最初に仕事を始める、誰よりも遅く帰る。メールが来たら土日深夜でも迅速に返信する。単純ですがそういう行動レベルの積み重ねです。お客様第一主義を「語る」よりも、自分がお客様を第一に「行動」し、それを周囲に見せる。

当社の社長は就任以来2年間、猛暑の日も大雪の日も一切の例外なく毎朝7時30分からバスターミナルに立ってお客様を見送っています。率先して荷物を運びます。私がいる会津の冬は大雪が降りますが、同時に盆地でもあるため、夏は熱がこもり、かなり暑いです。そういう厳しい中で最も年長(に近い)の社長のその行動を見て、バスの乗務員の行動も少しずつ変わってきています。

助平心なしで、本音で懐に飛び込む

第二に私が心がけたのは「控えめ」であることです。

今の職場は、ほとんどの同僚が自分より年上です。さらにバスやタクシーの事業の経験も私より皆はるかに豊かです。バス事業は路線がある地域の特性を知らないと会話が成立しませんが、会津に来た当初、私はまったく土地勘がありませんでした。

そういう中で周囲に動いてもらわなくてはいけない。そこで、債権者であるとか役員であるとか、要は権限を行使して動いても、人はついてきません。そこで重要なのは控えめであること、謙虚であることではないかと思います。

普段の言動は、年配の人に敬意を払う(当たり前です)。「検討しておいてください」で丸投げするのではなく、一緒になって考える。自分で検討しなくてはいけないことでも、相談を持ちかける。一緒に怒られる。一緒に残る。一緒にご飯を食べる。

私もこの職場に来るに当たり、「なれ合うな」とか「飲みに誘われても、行くのは3回に1回まで」とか「会議は最後のほうに入れ」とかいろいろな人から助言されて勘違いしかかりましたが、それらはいずれも距離を置く工夫、なめられない工夫、威厳を保つための工夫だった気がします。

結局、助平心なしで本音で懐に飛び込まないと、信頼関係は生まれません。相手の剣の届かないところでは、自分の剣も届かない。剣の極意はマネジメントの極意でもあると思います。

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