キャリアという"偶然"に必要なもの 効率的キャリアが一番弱い

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キャリアは「積み重ねる」ものから「つなぐ」ものへ

こうした21世紀的股裂き状態ともいえるキャリア環境下で、ビジネスパーソンはどのような姿勢で自分のキャリアに向き合うべきだろうか。キーワードは、「積み重ねる」から「つなぐ」へのシフトだ。

たとえば女性ビジネスパーソンの多くは、「もとの職場に戻れないから」と、育児休業を取るとキャリアに不利に働くと感じているようだ。これなどはキャリアを「積み重ねる」ものと考えている典型例である。

特に女性には専門職志向の人が多く、1つのことをずっと続けてこそキャリアが積み上げられていくという考えから、同じ職場に戻れないとキャリアが崩れると捉えがちだ。

しかし会社にしてみれば、先が読めない時代に2年後も同じ職場で同じ人材が必要かどうかはわかるはずもない。もとの職場に戻す保証などできるものではないだろう。

ここで重要になるのが、キャリアを「積み重ねる」ものではなく、「つなぐ」ものとする発想転換である。育児休業前の仕事は、自分なりのキャリアとして身に付いているはずだ。

それを育児休業明けにも「積み重ねる」より、それをベースに今度は、ビジネスパーソンのなかでも経験している人が決して多くない出産・育児という経験を「つなぐ」ことで、次に来る仕事に、自分が今まで培ってきた個性をどう生かすか。こう考える必要があるのだ。

出産・育児に限らず、変化は誰の身にも起こりうる。だからこそ、新しい環境、新しい役割に、自分のこれまでの蓄積を生かして、いかにつないでいくか。この視点がキャリアでは重要になる。

また、「積み重ねる」ことは長年続けていれば自動的にできるが、「つなぐ」ことは、自らが主体的にいかにつなぐかを考えなければならない。それこそが、まさに変化の激しい時代に求められる「キャリア自律」という概念である。

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