セブン株主総会で鈴木敏文氏が遺した言葉 鈴木氏の退任を惜しむ声が株主から相次いだ

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株主総会で例年配られていた試供品は、今年は配られなかった(記者撮影)

株主総会の出席者数は昨年より599人少ない1385人。時間は1時間52分と昨年より24分長かった。質問は15人から18問を受けた(昨年は13人から16問だった)。

株主と経営陣の主なやり取りは以下の通り。(肩書は株主総会採決前のもの)

禍根を残さないよう、無記名投票にした

――4月7日、セブン-イレブンの社長交代が諮られ、承認されなかった取締役会は、無記名投票だったと聞く。誰がどのような票を入れたのか、理由とともに教えてほしい。

村田紀敏社長:4月7日の取締役会では、多くの取締役から意見をもらったうえで、無記名で投票をいただいた。なぜ無記名かというと、私どものグループは一丸となって経営にあたっている。禍根を残さずに、それぞれの意見に基づいて投票していただくということを目的にして無記名にした。

その方法は弁護士からも確認したが、決して違法ではない。その結果として、会社が提案した井阪さんの退任の件については、反対という結論に達した。その時点で、私どもは一丸となって経営をしていくという考え方で、「ノーサイド」。

これからは全員が一体となって経営にあたらなくてはならない。なお、無記名なので、誰が賛成で反対かということについては、分からないし、それを問うことも必要としていない。

――イトーヨーカ堂はだいぶ業績が悪い。株主としていろんな商品を購入するが、極端な話、パンツは1カ月でダメになる。ゴムがすぐにダメになる。もうちょっと研究してほしい。もう1点質問がある。先ほど、「これからはノーサイド」と言われたが、これから「も」ではなくて、これから「は」なのか? 今まではノーサイドではなかったのか?

亀井淳常務執行役員(イトーヨーカ堂社長):株主様には大変不快な思いをさせてしまったと思いますが、いろいろなご意見を今後も取り入れて、より満足して頂けるような商品を開発して、みなさまのお手元にお届けしたいと思っております。

村田社長:もう一つのご質問、「てにをは」の問題ですが、非常に多くの株主様がおられたので、私としてはちょっと緊張しておりました。これから「は」ではなく、これから「も」でございます。失礼致しました。

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