――どうしてエジプトの方はそんなにジョークが好きなのですか?
モスタファさん:ジョークを言うのは昔からの習慣なのです。エジプトは農業の国です。でもその農業は国土の7%であるナイル沿いでしか行えず、人々はみんなナイル沿いに住みました。親族はみんな近くに住んでいます。そうすると夜、何もすることがなく、話をするしかなかったのです。
今の若い人はジョークをFaceookやtwitterで流し、それが一斉に伝わったりしていますよ。ジョークの内容はもちろん年代によって異なりますが、みんなジョークが好きです。
――ジョークにはどんな内容を話すのですか?
モスタファさん:社会のこと、貧富の差、先生と生徒、マネジャーと部下、食べることなどさまざまですが、必ず一般的なことです。
夫婦の関係や親子の関係、兄弟関係、自分個人のことや、特定の人がわかるようなことは話しません。「ある夫婦が…」とかはいいですが、「私の…」や「隣の…」などとは話しません。
――奥さんについてもあまり深く聞かないと聞きますが。
モスタファさん:そうですね、「お元気ですか?」ぐらいでしたらいいですが、あまり踏み込んだことは聞きません。
イスラム圏だが、お酒を飲む人も
――挨拶などはどのようにするのですか?
モスタファさん:同性であれば握手をしてもいいですが、親族以外では異性同士で握手はしません。同性であれば挨拶としてほっぺたにキスをすることもあります。
キスの回数は、ヨーロッパと同じで2回です。3回する場合もあります。エジプトはフランスの占領下にありましたし、イギリスの影響も受けました。その中で西欧の文化が入ってきました。ヨーロッパに留学して帰ってきた若い人が増えてきているので、さらに進んできたのでしょう。
――他のマナーはどうでしょうか? たとえば席順など。
モスタファさん:日本ほどは明確に決められたマナーはありませんが、全体が見渡せる場所を選んで座ってもらうことが多いです。
ただ、公的な機関の場合は別です。エジプトではホストの目の前が上席です。次がホストの右側。女性が一緒の場合はちょっと複雑になるのですが、夫婦で来た場合、女性が優先されます。
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