エジプト人は世界一、ジョークが好き 伝統衣装の中は、アラブで一番「西欧流」

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ユニ・チャームは先月からエジプト国内でのおむつの販売を始めましたし、味の素は3~4年前から進出しています。医療の面では大塚製薬が広く展開しています。

アフリカ大陸で最初に地下鉄ができた国ということからもわかるように、インフラのプロジェクトが進み、ゼネコンのニーズも増えています。エジプトは幅広い分野の企業に開かれたマーケットであるとおわかりいただけるでしょう。

日本の企業がエジプトに進出しているのはフリートレードエリアがあるからともいえますが、それ以上に、エジプトはアラブの国への足掛かりなのです。

エジプトに進出する企業がマーケットにしているのはエジプトのみではなく、そこからアラブ諸国へのさらなる展開を見越してのことです。

断食中は、1人ではつらい

――エジプトでの雇用は社内での外国人比率が10%、残り90%がエジプト人でなくてはいけないという法律があるそうですが、これは厳しくはないですか?

モスタファさん:すべてのビジネスにおいて「バランス」がとても大切だと思います。この法律は雇用のためだけではなく、さまざまなバランスの上に成り立っているものなのです。

エジプトはとても開かれたマーケットで、海外の企業にチャンスを与えています。海外の企業はエジプトでのビジネスにおいて、さまざまな権利を得ているでしょう。だとしたら、エジプトにも権利を与えてほしい。エジプトは多くの人口を抱えており、雇用が必要なのです。

またその人たちは技術を持っています。だとしたら政府としてその人たちに働くチャンスをあげる権利を持ちたいのです。この雇用の法律は、権利のバランスなのです。

――権利という意味では、エジプトでは働く時間が夏は8〜14時、冬は9〜13時で、15〜17時など時期によって変わると聞きました。今でもそうですか?

モスタファさん:以前はそうでした。エネルギーの節約のために行っていたのです。でも2年前に法律が変わり、今は1日の就業時間は8時間と法律で決まっています。ただ、始まる時間は企業に任せられており、地域によっても異なります。

たとえば、カイロにある企業ではインフラが発達しているので18時まで働けますが、地方では1時間早く始めて17時に終わるなど、地域に合わせた時間になっています。

――ラマダンのときはどうでしょうか? 15時ぐらいで終業する企業が多いと聞きますが。

モスタファさん:1年に1カ月、ラマダンのときは状況が変わります。朝3時半から夕方17時半〜18時(日没による)まで、水も飲みません。

そうするともし、8時間の就業時間どおりに働かせて18時に終わったとしたら、その人はすでに断食の時間を過ぎているのに、家に帰るまで2時間食べられないことになります。

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