断食のときに2時間ムダにすることはとても辛いことです。だとしたら、2時間早く16時に帰してあげて、18時の断食明けと同時にご飯が食べられるようにしてあげるのです。
また、ラマダンのときは夕食を親族が集まって一緒に食べるという習慣があります。1人で断食をしているとつらいので、みんなで集まるのです。
家族が集まれるのがラマダンの良さでもあるのです。だからこそ、断食が明ける時間というのはとても大切で、そのためには早く仕事を終える必要があります。
――そうすると始業時間を早めるということもあるのですか?
モスタファさん:それもありますが、ラマダンのときは臨機応変にしてあげることが、その後の仕事の効率にもかかわってきます。
ラマダンのときに融通をきかせてあげると、人々は感謝して、遅くなった仕事を取り返すために集中して働くでしょう。総合的に見るとそのほうが会社のためなのです。
――ラマダンのときに打ち合わせなどをすると、同席の日本人も水を飲まないなど、気を使うと聞きます。
モスタファさん:もちろん飲んでも、食べてもらってもいいのです。ただ、日本人の皆さんは大抵気を使って一緒に飲まないでいてくれますね。
ロボットのようにただ働くのはキライ
ラマダンの話になると宗教の話になります。日本人は宗教を尊重し、大事にしてくれるので、エジプト人にとってとてもありがたいことです。
たとえばレセプションなどがあり、食事が19時から始まる場合に「断食は18時に終わるのに、食事が19時になってしまいますが、大丈夫ですか?」と気を使って聞いてくださったり、お祈りの時間がお昼の12〜13時半と知ってその時間はアポイントを避けてくださったりします。
相手の文化や宗教を理解して、気を使う。そういう日本のメンタリティはとてもすばらしいと思います。
――休日は日本とエジプトでは異なるようですね。
モスタファさん:休みはだいたい金曜と土曜日です。工場は金曜日のみのところが多いですね。たとえば日本の3連休など、少し長い休みの前などで小旅行に行く時などは、木曜日の午後から休みモードになることもあります。エジプトでは状況に応じて柔軟にして、多少のことには目をつぶることが必要です。
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