「デフレは悪くない」ニトリが再び大幅値下げ 勝ち組が抱く危機感

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ニトリは商品の企画から製造、販売まで一貫して手がけるSPA(製造小売業)だ。そのメリットを生かして、これまでも低価格で勝負してきた。前回の「値下げ宣言」は、2008年5月からおよそ3カ月おきに11回実施。計4300品目を引き下げた。その間にリーマン・ショックが起こったが、低価格が消費者に支持されたほか、円高が進んだことによる原価率の低下もあり、右肩上がりの成長を続けた。

今回はその再現を狙っている。値下げによって採算が悪化する懸念はあるが、売上高の増加と原材料の調達見直しといったコスト削減で吸収する計画。社長自ら現場に出て、価格交渉などを行うという。

「国民の役に立っていればデフレは悪くない」

折しも、12月の総選挙に向けて、デフレ脱却が大きな争点となっている。ニトリやユニクロなど、低価格商品を武器とする小売りチェーンがデフレを助長しているという指摘もあるが、似鳥社長は「給料が下がる時代に物価が上がっていくのはどうなのか。日本の商品は米国に比べて5割以上高い。国民の役に立っていればデフレは悪くない」と持論を展開し、意に介さない。

とはいえ、価格を下げても商品が売れない「デフレ慣れ」を指摘する声もある。ニトリは、今回の値下げでも真骨頂を発揮できるか。”デフレの寵児”の力が試されている。

(撮影:尾形 文繁)

中島 順一郎 東洋経済 記者

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なかしま じゅんいちろう / Junichiro Nakashima

1981年鹿児島県生まれ。2005年、早稲田大学政治経済学部経済学科を卒業後、東洋経済新報社入社。ガラス・セメント、エレクトロニクス、放送などの業界を担当。『会社四季報』編集部、『週刊東洋経済』編集部、ニュース編集部などを経て、2020年10月より『東洋経済オンライン』編集部に所属

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