“インテル報道”に透けるシャープの焦燥

鴻海の出資はもはや望み薄

尻込みする地銀

9月末にシャープと主力行は人員削減や資産売却を織り込んだ再建計画を、りそな銀行、広島、京都、百五(三重)、山口、南都(奈良)、中国といった地方銀行、生命保険4社などに提出した。1社当たり数十億~数百億円の新規融資を得て、主力2行の負担を分散する計画だった。

11月1日に発表した中間決算で、シャープは通期の最終損益を4500億円の赤字へと大幅に下方修正した。決算短信には初めて、経営継続リスクである「継続前提に関する重要事象」の記載がついた。

一時期は「メイン(バンク)が覚悟を示した以上、既存取引がある金融機関はすぐについてくるだろう」(市場関係者)との見方が優勢だったが、11月20日までに融資に応じた金融機関はない。それどころか、「地銀の中にはシャープの債務者区分を『正常先』から外すべきかどうか検討する動きもある」(金融筋)。

「時間がかかっても協調融資は何とか実現したい」(主力行関係者)。インテルからの出資や業務提携といった“お墨付き”を得られれば、協力を要請している金融機関の心象も変わる。主力行の姿勢の変化にはこうした事情がある。

ただし、シャープにとってインテルの“お墨付き”が、本質的な再建の助けになるかは疑わしい。

報じられた300億~400億円規模の出資でも、資金不足の身にはありがたい。が、来年9月末に償還を迎える2000億円の新株予約権付社債など、今後の必要資金から見ればあまりに少額だ。アップルやサムスンといった液晶パネルを直接使用する企業ならともかく、部材メーカーのインテルが、最大の課題である液晶パネル事業の立て直しで尽力できることは限られている。

経営危機の責任を取り代表権を外したばかりの片山会長に一縷の望みを託していることもまた、シャープと主力行の苦境を物語っている。

記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。

(撮影:吉野純治)

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