“インテル報道”に透けるシャープの焦燥 鴻海の出資はもはや望み薄
11月20日、シャープは希望退職の募集に2960人が応募したと発表した。2000人程度としていた募集数を大幅に超過した。
今後の人件費削減効果が大きくなるという意味では一見プラスだが、会社を見限る従業員が増えていることを喜んではいられない。
さかのぼること1週間。14日、低迷していたシャープの株価は一時16円、実に2割以上も高騰した。一部の新聞朝刊が「米半導体大手インテルや米通信技術大手クアルコムがシャープに数百億円を出資する方向」と報じたことが材料視された。
同日の朝、シャープは「当社が公表したものではなく、また決定した事実もありません」と否定している。ただ、9月にインテルとの出資交渉が報じられた際のコメント(「そうした事実はありません」)との表現の違いが、株式市場の期待を高めた。
鴻海の出資は「望み薄」
目下、シャープがインテルを含む複数の企業に出資話を持ちかけているのは事実である。
10月中旬、渉外担当の片山幹雄会長が渡米。複数の取引先を行脚し、出資や業務提携を願い出た。「訪問先リストにはインテルも含まれていた」(シャープ関係者)。
これまでも片山会長は動いていたが、主力2行(みずほコーポレート銀行、三菱東京UFJ銀行)の視線は冷ややかだった。今回は、主力行関係者も「(渡米の)報告を受けており、期待している」とトーンを変えている。
従来、主力2行は台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業がシャープに出資する前提で再建計画を練ってきた。だが、シャープの株価急落を理由に、鴻海の郭台銘董事長が条件見直しに言及。奥田隆司社長との直接の会談も実現しておらず、結論は宙に浮いたままだ。
鴻海の動向に詳しい台北科技研究の大槻智洋代表は「決断が遅いシャープの経営陣に鴻海はほぼ愛想を尽かしており、財務部門も出資に反対し始めた」と指摘する。鴻海の出資はもはや「望み薄」の感がある。
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