ワーキングマザーの両立の障害は、まだまだある。現役ワーキングマザーの取材でよく聞くのが、本来最大の味方であってほしい「夫」が敵になっているとの声だ。
「夫が子どもが欲しいと言うから作ったのに、子どもを育てるのは母親という態度がミエミエで育児協力しない」(IT・37歳)
「帰宅が毎晩夜11時を回るため、育児どころか子どもと接点がない」(出版・37歳)
「夫にも育休取得を促したが、それは出世拒否行動だと相手にもされなかった」(メーカー・36歳)
「私が忙しすぎて家がくつろげないと浮気された」(IT・32歳)といった不平不満が一斉にあがる。
ジジババと教育方針でモメる
夫の育児参加へのやる気の低さも問題だが、ここでも日本の「長時間労働至上主義」のしわ寄せがワーキングマザーに押し寄せる。
同じく身内では、「親が敵」というワーキングマザーもいる。
「義母が、3歳までは自分で育てるべきだとうるさい」(IT・32歳)といった声は無視すればいいとしても、「子どもを預かってもらっている自分の母親と、教育方針の違いでもめる。『ただ見ているだけで、しつけはしなくていい』と言ったら、『何様だ』と以降、一切の育児サポートを拒否された」(出版・35歳)
こうした「内輪もめ」は、今後、親子関係に深い禍根を残しかねない。
ワーキングマザーの中心層、団塊ジュニアやポスト団塊ジュニアの親世代は、若い時から爺さん婆さん抜きの核家族で家庭を営んできた層が多いためか独立志向が強く、「自分のことは自分でやれ」と、育児協力する気がない親もいるようだ。
このように、ワーキングマザーの「敵」は無数に存在する。では、お互いの苦労が分かるワーキングマザー同士はうまく連携しているのか。苦悩を分かち合い、生涯の友となるケースもあるが、だからといってワーキングマザー全員が一蓮托生とは言い難い。
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