【キーマンズ・インタビュー】女性採用比率5割、外国人採用3割というダイバーシティ人材戦略--村山啓・ローソン執行役員CHOに聞く
社会が変化していることは、街の風景や店舗で実感できる。とくに存在感を増しているのがコンビニだ。大規模大学にはかならずと言っていいほどコンビニがあり、学生が頻繁に利用している。大型オフィスビルにもコンビニは設置され、ビジネスマンが弁当、おにぎり、スナック、飲料を買っている。
そして街中のコンビニを観察すると、利用客に変化がある。1980年代、90年代は若者、なかでも男性の姿が目立った。エリアによってはいまも若者が多いが、住宅街にあるコンビニでは中高年や女性がかなりいる。主婦と思われる女性も多いし、弁当と飲料を買い求める高齢者もいる。
国内市場は「飽和した」と言われるが、コンビニ客の変化を見ると、高齢化と一人世帯の増加によってニーズが変化しているように見える。多様化と言ってもいい。そんな多様な顧客ニーズに積極的に応えているのがローソンだ。
看板を見ると「LAWSON」というロゴは同一だが、色が違う。従来からの青のローソンに加えて、赤のローソン、緑のローソンがあり、品揃えが違う。品揃えが違えば来店客も変わる。時代の変化を的確に捉えた巧みな経営戦略だ。
そのローソンが力を注いでいるのが、女性と外国人の採用だ。大崎のローソン本社を訪ね、その人材戦略を村山啓執行役員CHO兼ヒューマンリソースステーションディレクターに聞いた。
--まずお聞きしたいのは現在のローソンの実態です。店舗数、売上高、正社員数、男女比率を教えてください。
国内は8支社の下に78支店があり、店舗数は1万639店。その90%はフランチャイズで直営店は1,000店舗程度だ。売上高は連結で1兆8000億円、正社員数は今年2月末時点で6450名だ。男女比率は女性14%、男性86%。女性比率はまだ低い。