【キーマンズ・インタビュー】女性採用比率5割、外国人採用3割というダイバーシティ人材戦略--村山啓・ローソン執行役員CHOに聞く
PB商品の開発に力を入れる理由は、利益率の確保だ。従来のコンビニエンスストアは、長時間開いているという便利性があったから、スーパーよりも10円高くても買ってもらえた。しかし長時間開いているのはコンビニエンスストアだけではなくなっている。業態を越えたメガコンペティションに勝つためには、自社生産するPB商品を増やしていく必要がある。
--他の小売業に比べた場合、コンビニの優位性はどこにあるのでしょうか?
名前の通りのconvenienceだろう。スーパーの商品は、肉にしても野菜にしても、基本は4人家族のボリュームを想定している。コンビニエンスストアは1~2人向けが基本であり、大きな違いがある。
またスーパーは車での来店を想定した立地が多いが、コンビニエンスストアには歩いて行ける。そしてコンビニエンスストアはコンパクトなので、短い時間で買い物ができる。スーパーの売り場は広く、夕飯の買い物に行って、野菜、肉、豆腐と買いそろえていけば、30分近くかかることが多い。コンビニエンスストアの場合は、お客さまが入店されてから、レジを済ませて退店されるまでの平均時間は5分とスピーディだ。
--グローバル戦略についてうかがいます。ローソンは2020年までに中国で1万店舗を出すと宣言されています。
空理空論で1万店舗と宣言したわけではない。2012年4月末現在の中国の店舗数は、上海319、重慶41、大連5だ。この数に足し算していくと、達成が困難に思えるだろう。しかし中国を一つの国として理解するのは間違いだ。それぞれの都市は異なる文化と習慣を持つ別の国、異なる商圏とわれわれは理解している。
そしてそのような地域は、上海、重慶、大連だけでなく、北京、深セン、成都と多数ある。それらの掛け算と足し算を合計すると1万店舗になる。