"理系ママ"、少女の心で世界に挑む 新世代リーダー 上川内あづさ 名古屋大学大学院教授
案内されたのは名古屋大学大学院、理学研究科の研究室。入ると壁際に小さなハエでいっぱいのチューブが所狭しと並んでいる。
「ショウジョウバエはフルーツやお酒を好む清潔なハエなので、気持ち悪くないですよ。この飼育器の中にもハエがたくさん入っています」
驚く記者を前に、試験管を眺めながら熱心に語る。声の主は上川内あづささん。穏やかな空気を纏う、愛らしい“理系女子”にしか見えない。
だが、その経歴は輝かしい。ハエの聴覚に関する第一人者で、最高峰の英科学誌『ネイチャー』にも論文が掲載され、文部科学省から若手科学者賞を受賞した。昨年9月には、36歳という異例の若さで名古屋大学大学院の教授になっている。
教授といえば、通常なら40歳でなっても早いと言われるくらい。上川内さんは大学の助教から、准教授を飛び越えていきなり教授になった。驚くべき早さの出世に対しても、
「この専攻は、けっこうそういう人が多くて。私と同世代の男性教授も2人いますよ。名古屋大学がそういうやり方をするのかな、と思います。」
あっけらかんとしている。
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