"理系ママ"、少女の心で世界に挑む 新世代リーダー 上川内あづさ 名古屋大学大学院教授

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上川内 あづさ
名古屋大学大学院理学研究科教授
上川内 あづさ
1975年東京都生まれ。97年東京大学薬学部卒業。2002年同大学大学院薬学系研究科博士課程修了。基礎生物学研究所、東京大学分子細胞学研究所、ドイツ・ケルン大学を経て、08年東京薬科大学助教。11年より名古屋大学大学院理学研究科教授。10年文部科学大臣表彰若手科学者賞を受賞。専門は神経科学、分子解剖学。

案内されたのは名古屋大学大学院、理学研究科の研究室。入ると壁際に小さなハエでいっぱいのチューブが所狭しと並んでいる。

「ショウジョウバエはフルーツやお酒を好む清潔なハエなので、気持ち悪くないですよ。この飼育器の中にもハエがたくさん入っています」

驚く記者を前に、試験管を眺めながら熱心に語る。声の主は上川内あづささん。穏やかな空気を纏う、愛らしい“理系女子”にしか見えない。

だが、その経歴は輝かしい。ハエの聴覚に関する第一人者で、最高峰の英科学誌『ネイチャー』にも論文が掲載され、文部科学省から若手科学者賞を受賞した。昨年9月には、36歳という異例の若さで名古屋大学大学院の教授になっている。

教授といえば、通常なら40歳でなっても早いと言われるくらい。上川内さんは大学の助教から、准教授を飛び越えていきなり教授になった。驚くべき早さの出世に対しても、

「この専攻は、けっこうそういう人が多くて。私と同世代の男性教授も2人いますよ。名古屋大学がそういうやり方をするのかな、と思います。」

あっけらかんとしている。

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