――ほかに、産まれてすぐつけられるニックネームもあるとか? それも「鳥」「豚」「チック(時計の音)」など面白いニックネームのようですね。
パッタラットさん:そうなのです。私は「パン」です。「白い粉」という意味です。これは産まれてすぐに親がつける名前で、昔はニックネームをつけないとおばけがその子を見つけて連れて行ってしまうと考えられていました。
ニックネームをつけると誰が誰だかわからないので連れて行かれないのです。迷信ですが、昔は子どもの死亡率が高かったことも理由かもしれません。ニックネームは産まれてからと、学校に入ったときに新しいものをつけることもあります。
会社でもより親しみを持って呼ぶならば、「ニックネームで呼んでもいいですか?」と聞いてニックネームで呼んでください。
タイの人は「私は…」と自分自身のことを言うときも自分のニックネーム、たとえば私で言えば「パンは…」と言うのですぐわかります。
――日本では自分のことをニックネームで呼ぶのは子どもぐらいですよね。
パッタラットさん:タイではビジネスでも当たり前です。死んだ後にお墓にもニックネームを刻むこともあります。ニックネームでタイの人を呼ぶことは、とてもその人のことをよく知りたいのだと取られ、親近感を持たれますよ。
――タイでは好まれる数字があると聞きました。
パッタラットさん:タイでは「9」はとてもよい数字です。縁起を担ぐために祝典などは9月9日9時9分に行ったりします。
9はタイの言葉では「カオ」と言って、「Progress(進歩する/前に進む)」という言葉と同じ発音なのです。
逆に悪い数字は「6」です。6は「ホ」と言って「落ちる・悪い」という意味の言葉と同じなのです。色で言えば、ゴールドや黄色、オレンジが好まれます。包み紙なども白や黒で包むことは避けて、こういう色で包みます。
――白や黒はあまりいい色ではないのですか?
パッタラットさん:会社に白や黒を着ていくと「今日はお葬式に行くの?」と言われますよ。
細かい話になりましたが、タイでは個人的なつながりがとても大切です。1人を知ったら、その人の家族も友人も知ることと思ってください。たとえばパーティに誘ったら、「友達も一緒に行っていい?」と言われ、友達を連れてくることは当たり前です。それで友達の友達を知り……と人脈が広がることを楽しんでください。
タイではグループに属すること、共通点を探してつながること。ビジネスでの公式の場よりも、インフォーマルな場でさまざまなことが進んでいくので、公式なミーティングよりもどれだけ仕事以外の場で人とつながれるかがビジネスでの成功につながります。
(撮影:梅谷 秀司)
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