握手だけは社会常識として行いますが、それもワイ(胸の前で手を合わせるタイの挨拶)のほうが普通です。触られることはとっても不快に思います。簡単なことでもセクシャルハラスメントになるので気をつけてください。
――日本人がしがちで、タイではタブーなことはなんですか?
パッタラットさん:タイでは、非常に年功序列が大事です。
学歴や年齢がとても大切です。もしビジネスをしていて、ボスの連絡先を知っていたとしても、担当を飛ばしてボスに連絡を取ってしまったら、ボスは受け付けてくれないでしょう。
時間がかかってもちゃんと下から連絡をして、1つずつステップを踏んで上にコンタクトを取る必要があります。もしステップを飛ばして直接ボスに連絡を取ってしまったら、ボスから受け入れられないだけでなく、担当者とのコンタクトもなくします。
それでも決定権はボスにあるので、ビジネスを行うときにはまずは誰が決定権を持っているかを聞いたうえで、その人にたどり着くように下からアプローチします。
タイでは物事を進めるときにとても時間がかかります。だからインフォーマルでの関係がとても大切なのです。
腕を組む、足を組むのはNG
タイの人はとても「遠慮」をします。絶対にその人に何かをしてほしければ、「あなたにしてほしい」とはっきり言わなければ次の人に回し、その人がまた次の人に回し、ずっと終わらないということにもなりかねません。はっきり言うことが必要です。
――挨拶や作法で気をつけるべきことは?
パッタラットさん:タイの挨拶「ワイ(Wai)」にも日本のお辞儀のように、さまざまな角度や方法があります。
目下の方は胸の前で手を合わせ、お辞儀します。目上の人は手を合わせるだけでお辞儀をする必要はありません。ワイは必ず目下の人から先に、目上の人に対して行います。
タイでは、ミーティングなどでも目上の人の前で腕を組むことは許されません。つま先を人に向ける事も失礼なので、足を組む事もいけません。
打ち合わせなどで部屋に案内されたら、座るように言われるまで座らない。足は男性でも女性でも膝をそろえて座り、手は膝の上に置きます。
――パーティでは夫婦で参加することが普通ですか?
パッタラットさん:夫婦で参加することが多いです。たとえ専業主婦であろうと、タイでは平等です。ですから、招待状には夫婦連名で記載したほうがいいです。それで一緒に来るかどうかはその人次第ですが、タイの女性は社交性があり、キャリアを積んでいる人も多いのでパーティなどに参加することが多いですね。
――知り合った方はどのように呼べばいいですか? 肩書きですか?
パッタラットさん:タイではビジネスでも必ず下の名前で呼びます。ファミリーネームで呼ばれても気がつかないかも。
日本の「さん」はタイでは「クン(Khun)」と言います。その後に名前を入れます。たとえば竹村さんの場合「クン マキコ」です。クンも親しくなるとつけません。
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