そして、さらにこう付け加えた。
「黒字化するまで帰ってくるな」
はじめはまた、「まじっすか!!」と思った。しかしヤフーが企業である以上、当然、このプロジェクトはボランティアではない。いくら復興支援が目的とはいえ、赤字を垂れ流していては、そう長くは存続できない。
ハードルは高ければ高いほど、くぐりやすい
そして宮坂の思いが、IT企業を代表して東北のビジネス、課題解決に取り組んでいくんだというところにあると知ってからは、われわれの活動はビジネスであり、黒字化を目指していくということを周囲に発信するようになった。
僕らは復興支援事業を石巻だけで終わらせようとは思っていない。もともと個人的に旅をするのも大好きだった東北。個人ボランティアを通じて出会った大切な仲間たちがたくさんいる福島、お世話になった人が支援活動をしており、親戚もいる岩手にも、大きな被害を受けた町は数え切れないほどある。
ここ石巻で成功事例を作り、それを足掛かりに、他の被災地へ復興支援事業を横展開していけたらと考えている。
そのためにも、決して低くないハードルである「黒字化」は避けて通れないテーマなのだ。
ヤフーでかつて一緒にプロジェクトをやっていた先輩が言っていた。
「ハードルは高ければ高いほどくぐりやすい」
立ち上げ時には2名だった復興支援室は、熱い志願者3名を迎え、7月には5人になった。その後、全員が石巻に移住。さまさまなハードルを飛び越えたりくぐったり、時々ちょっとつまずいたりしながら日々、奮闘している。(続く)
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