気仙沼での医療支援活動で見えてきた課題《寄稿》

気仙沼での医療支援活動で見えてきた課題《寄稿》

横浜市内で整形外科の診療所を開業する岩井亮医師(いわい整形外科・ペインクリニック院長)は現在、1カ月に2回の頻度で宮城県気仙沼市内の仮設住宅を訪問し、被災した住民への医療支援活動を続けている。東北地方の被災地では、昨年秋の避難所の閉鎖とともに組織的な医療支援が終了する一方、仮設住宅では高齢者の孤立や健康状態の悪化が大きな問題になっている。現在も被災地で活動を続ける数少ない医師の一人が、被災地の現状について寄稿した。(以下は寄稿文、タイトル横写真は岩井医師による仮設住宅での医療支援活動)

私は現在、気仙沼市内の仮設住宅で、医療NGOスタッフ(ジャパンハート、キャンナス、FACE TO FACE東日本大震災リハネットワーク)や一般ボランティアとともに、気仙沼市医師会の承諾を得て医療支援活動を続けている。

津波による被害が大きかった気仙沼市では、震災後に90数カ所の仮設住宅が設けられたが、市街地から離れた独居高齢者の割合が大きい仮設住宅が数多くある。そうした仮設住宅では、持病があっても、お金がない、車がないといった理由で病院受診を手控えている人が少なくない。

また、独居で高齢の場合、本人が知らないうちに慢性疾患が悪化したまま、見過ごされていることがよくある。先日も、血圧が200を越えている方がいらっしゃった。長引く仮設住宅での生活のストレスがじわりと影響を及ぼしている。88歳の一人暮らしの女性は、首、肩関節、腰が悪く、自力で肩を上げることもほとんどできない。通院もできず、リハビリテーションも受けていなかった。

私は阪神大震災時に、初期の段階にボランティア支援にかかわった。震災から1年後に神戸市を再訪した折には、いまだ散在する仮設住宅を目の当たりにしてショックを受けた。しかし、今回の震災はその比ではない。

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