震災後、各地から東北の被災地に集結したボランティアたちが、支援の手の行き届かない現場において大きな役割を果たし、時に「命綱」となってきたことは周知のとおりである。
しかし、ボランティアの人々にも日常の生活がある。今後、仮に支援の手が減っていったとしても、地域の人々の生活や産業がしっかりと立ち行く、その仕組みを作るときに来ている。
昨年の夏くらいから、被災地では「おカネや物資だけではなく、”商売”の復活を手伝ってほしい」という声が出てきた。そんな地元のアイデアから生まれたのが昨年12月、Yahoo!ショッピングのプラットフォームを利用して立ち上げた「復興デパートメント」だ。
ここでは被災地の特産品を「被災によるお涙ちょうだい」ではなく、生産者のこだわりや商品のすばらしさを映像や写真、ストーリーとともに伝え、販売してきた。
当初38点しかなかった取扱商品は、その後400点超まで拡大。まだまだ合計の月間取扱高はそれほど大きくないが、着実に数字を伸ばし、Yahoo!ショッピングの中の有力店と肩を並べる規模に成長する店舗も出てきた。
「できるわけないじゃん。絞れよ!」
復興デパートメントの立ち上げメンバーは、自分たちのメイン業務を抱えながら、被災地の商売復興のために日々アイデアを出し合っていたので、復興支援室として今後、やっていきたいことの骨格は何となく決まっていた。
その「何となくの骨格」。せっかく新しい部署まで作ったのだし、ミッションを自分たちで語れと言われたら、大風呂敷を広げたくなるのが心情。
「東北の課題解決エンジンになる!」
「もはや被災地だけの問題ではない。そもそも日本の地方、ふるさとが抱える課題を解決したい!」
というような資料を作り、新しい経営陣の前で発表した。
すると……
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