宮坂は今年3月まで僕の上司だった。詳しくは後ほど紹介するが、会社全体がアツい震災モードだった昨年の春以降、通常業務に戻ってからも復興支援に夢中になっていた僕ら一部のメンバーを陰で応援し、ちょくちょくアドバイスをくれていたのだ。
あの電撃的な社長就任発表があった3月1日の朝も、出勤時にたまたまエレベーターで一緒になった。いつものラフなシャカシャカパンツ姿で、「はせたく、どうよ、東北は?」と声をかけてくれたのを覚えている。(そのときはまさか午後、スーツに着替えて社長になるという記者発表をするとは、想像もできなかった…)
引き続き東北に目を向け、会社としての復興支援を縮小させるどころか、専門部隊をまっ先に作ってくれた宮坂。なかなか本人に面と向かっては言えないが、僕ら復興支援室メンバー一同、感謝している。
で、なぜヤフーが復興支援?
ところでなぜ、東京・赤坂に拠点を置くIT企業であるヤフーが、被災地の復興支援に関わろうとするのか。これには少し、これまでのヤフーの取り組みを説明する必要があるだろう。
ヤフーはポータルサイト「Yahoo! JAPAN」を運営するインターネット企業である。
2005年から地震や津波の速報情報などをまとめた「Yahoo!災害情報」の掲載を開始。06年には災害時における被災者支援のため「Yahoo!基金」を設立するなど、ヤフーにしかできない災害支援をしようとし続けてきた。
こうした経緯もあり、2011年3月11日に起きた東日本大震災後、すぐさま震災関連プロジェクトが発足。
震災当日の午後7時ごろには、Yahoo!基金で「東日本大震災緊急災害募金」を開始。翌12日には「震災対策特別室」を設置し、24時間体制で情報提供に当たった。
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