縁台作り、移動支援、絵本の読み聞かせ……被災地の個人ボランティア活動は大盛況
東日本大震災から1年7カ月が過ぎた東北地方の被災地。人数こそ昨年の同じ時期の半数を大きく下回っているが、現在も活動するボランティアは刻々と変わる住民のニーズに対応して活動そのものをバージョンアップさせている。
さいたま市在住の片岡遼平さん(NPO人権センターHORIZON代表)もその一人だ。片岡さんは10月27日から翌日にかけて、宮城県気仙沼市内の「五右衛門ヶ原運動場住宅」(170世帯)で、岩手県住田町産の「気仙杉」を材料にした縁台(62台)の製作を仮設住宅の住民らとともに行う。
昨年3月の震災発生直後から被災地の支援を続けている片岡さんにとって、仮設住宅での縁台作りは今回が5度目。知人や父親が幹部を務める部落解放同盟の支援者らからカンパを募ったうえで現地に赴き、住民らとともに大工仕事に汗を流す。
片岡さんの縁台作り支援は、仮設住宅の住民から大変ありがたがられている。9月2日から翌日にかけて同じ気仙沼市内の「五右衛門ヶ原野球場住宅」(108世帯)で縁台作りを始めたところ、自宅に閉じこもりがちだった高齢者の男性らが次々と姿を現し、大賑わいになった(=タイトル横写真=片岡遼平さん〈右の若い男性〉と五右衛門ヶ原野球場住宅の住民ら)。住民らの手で完成した縁台は計36台。「洗濯物を干すのに欲しかった」「縁台に座って隣人と会話ができる」と評判は上々だ。