既存の組織、サービスを「爆速」で変えていく--ヤフー社長兼CEO 宮坂 学
まさに大抜擢だ。日本のインターネット業界の草分け、ヤフーが44歳の新社長にバトンタッチした。引き継いだのは宮坂学新社長。ヤフーが誕生した翌年に入社、「Yahoo!ニュース」、「Yahoo!オークション」など主力サービスの育成に携わってきた。15期連続で増収増益を成し遂げた井上雅博前社長のイメージが強い同社を、いかに“破壊”し再構築していけるのか。
──業績好調の中、あえて経営陣を刷新した狙いは。
これからはスマートフォンが主戦場になってくるので、スマホにより近い世代でやるほうがいいというのが、いちばん大きい。井上さん(前社長兼CEO)からは、やる以上は思い切ってやれ、と言われました。相談には乗るけど提案はしないというのが井上さんのスタンス。引き継ぎ事項もそれだけでした。
──役員の平均年齢は10歳以上若返りました。選定では何を重視しましたか。
役員の選定に当たっては、スマホが好きな人であるということが前提条件。あとは、変化を求めることが比較的好きというか、そういうタイプを意識して選びました。
役職については、配役だと言っています。役職というと、固定化しやすい。映画でもタイトルが変われば、出演する俳優の役が変わるじゃないですか。今はスマホという新しい映画を撮らないといけないので、それに見合った配役にしました。
--中でも、副社長兼最高執行責任者(COO)には、宮坂社長とともにメディアサービスを育て、2009年に買収したGyaOの社長も務めた川邊健太郎氏を充て、新設した執行役員チーフモバイルオフィサー(CMO)には、退職していた村上臣氏を呼び戻しましたね。
社員の才能と情熱を解き放つ場を作らないといけないよねと、川邊とはいつも話をしています。二人の役割分担は明確で、私がその舞台作りを担い、川邊はいかにその舞台で踊るかを積極的に考える。村上がやるべき点は、スマホの売り上げとか、お客さんの利用度とかをしっかりと見てもらうことです。