既存の組織、サービスを「爆速」で変えていく--ヤフー社長兼CEO 宮坂 学
--井上前社長の体制が長かったこともあり、「ヤフー=井上」というイメージが根強くあります。この間、組織が硬直化したり、官僚化したり、ということはなかったですか。
若干、守りに入っていたところはあるかもしれません。外部の人に聞くと、ヤフーのスピードが遅くなったとか、戦闘的じゃなくなったとか、草食系の雰囲気になっていると。
確かに、昨日の仕事を今日はより上手にやるということは、すごくうまくなってきたと思います。このこと自体は大事なことですが、企業である以上、昨日の仕事を明日壊さないといけない部分も必ずある。バランス的には、壊す部分が若干弱くなっているようです。昨日とは違う明日を作るような仕事をやらないといけない。
──組織文化を変えることは非常に難しいことです。社員の受け止め方はいかがですか。
グループ全体で5000人以上いますから、一夜にして変わるということはありません。ただ、ヤフーのもともとのDNAがスピーディな組織文化だったので、それを思い出そうと言っています。これまでの成長の過程で、チェックリストがいっぱいできたり、承認印が増えていったりしました。仕事の精度を上げる方向には向かいましたが、スピーディではない。社内では「爆速」で行こうと表現しています。
ナンバー1以外のサービスは認めない
──全体の事業をどのように再構築していきますか。
優先順位としては、まず強いサービスを作ること。その強いサービスを、ちゃんとスマホでも使ってもらえるように仕上げていきます。
もう一回、オンリーワン・サービスにしようという話を社内ではよくしています。ヤフーはオンリーワン・サービスの集合体がいいよね、と。オンリーワンというのは、収益のことよりも、圧倒的にお客さんから使われているという意味です。