既存の組織、サービスを「爆速」で変えていく--ヤフー社長兼CEO 宮坂 学

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──自社内でSNSを強化するグーグルとは戦略が違いますね。

そうです。ただ、自らソーシャルメディアを作ることを、あきらめたわけではありません。柔軟にユーザーファーストであることが大事であって、お客さんが使いやすいようにしていくことを重視しています。

辞めた人材も活用すればいい

--ヤフーの最年少部長にもなった、児玉太郎氏がFBの日本法人代表に転出するなど、井上前体制の間に人材の流出が進んだのでは。

辞めた人は累計で数千人いると思います。しかし、考え方を変えれば、辞めた人を活用すればいいのです。最近は「ヤフーを辞めた人材は“ヤ僑(ヤフー版華僑)”だよね」なんて言い方もしています。実際に、第1回目の「ヤ僑ナイト」を先日やり、いろいろ情報交換をしました。ポジティブに考えれば、これほど心強いネットワークはありません。

──井上前社長にできなくて、宮坂社長にできることは何ですか。

身内を誉めるのも変ですが、井上さんは言葉にはできないすごさがあります。天才ですね。物事の本質が見えていて、複雑な事柄もわかりやすい日本語で伝えられる。

少なくとも僕は、井上さんを追いかけてはいけないと思っています。井上さんは自分の頭の中だけでオールスターチームが結成できるけれど、僕はリアルのチームでやっていくしかない。それと、井上さんは自分で作り上げてきたからできなかったですが、僕は既存組織を壊すことができる。爆速でやめられる。それも、僕の特徴だと思います。

(聞き手:鈴木雅幸、二階堂遼馬 撮影:今井康一 =週刊東洋経済2012年7月14日号)

記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。

みやさか・まなぶ
1967年山口県生まれ。91年同志社大学経済学部卒業。出版社勤務を経て、97年6月ヤフー入社。2002年メディア事業部長、09年執行役員コンシューマ事業統括本部長就任。マラソン、トレイルラン(山野のランニング)など、アウトドアスポーツを趣味に持つ。
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