さあ、会社と役員を巻き込もう!

まさかの人員削減で、万事休す?

震災で大きな被害を受けた宮城県石巻市に2012年7月末、ヤフーは新たな事業所として「ヤフー石巻復興ベース」を設置。東京のIT企業からやってきたメンバー5人が”ヤフーにしかできない支援”を目指し、日々奮闘している。
会社員として、企業として、復興支援の現場でいったい何ができるのか。この連載では、ヤフー石巻復興ベースの現場リーダーである長谷川琢也氏(35歳)が、復興支援の新たな仕組み作りに奔走する日々を、石巻から発信していく。 
連載第4回目の今回は、被災地の隠れた名品を販売するサイト「復興デパートメント」立ち上げ直後に起きた、まさかの人員削減という大波乱から始まる。さて、そこからどう巻き返す?

 

「はせたく、新規事業と、復興を含めた既存事業、どっちを選ぶ?」

およそ半年かけて、ようやくオープンした「復興デパートメント」(詳細は前回記事で)。

「復興デパートメント」のお披露目イベントは、大盛況に

そのお披露目イベントには、多くのメディア関係者が来てくださり、まさにこれからと関係者内も盛り上がっていた。

ところがその翌日。僕は、当時上司だった坂本本部長(現コンシューマ事業カンパニー担当執行役員)に呼び出され、究極の選択を迫られていた。

以前から僕の部署では、みんなで気合いを入れて立ち上げようとしていた案件があり、それをいよいよ本格化させるということだった。そして僕に告げられたのは、新規事業を選ぶか、もしくは、復興事業をやるか。どちらかを選べ、ということだ。

「どっちもやりますよ」

「ダメ」

「じゃあ、既存事業と復興のほうをやらせてください」

当時、自分なりに新規も既存も復興も、すべて全力でやっていて、全部やっつけるつもりだった。でも周りの目はちょっと白くなりつつあったし、正直なところ、体力も気力も限界に来ていた。

会社が力を入れる新規事業には魅力があり、当然、興味も持っていた。ただ、「復興デパートメント」の正念場はまさにこれから。オープン翌日にさよならなんて、それは、いくら何でもないでしょ。

記者発表時に、石巻から東京まで来てくださった本田水産代表の本田さん、高砂長寿味噌の高砂さんご夫妻(写真:平井慶佑)

前日に「これから頑張りましょう!」と熱い握手を交わした南相馬のイケメン味噌生産者・若松さんや、「こういう機会をつくってくれてありがとう」と言ってくれたキュートな高砂長寿味噌の社長ご夫妻、NPOのオンザロードやフロンティア南相馬の仲間たちの顔が浮かんだ。

せっかく乗りかかった船。今、ここで降りるわけにはいかない。

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