賃金格差の縮小は、脱デフレの徹底で可能だ

賃金制度に政府が介入するのは望ましくない

人手不足が恒常化すれば、不合理な賃金体系の会社は従業員から見捨てられるだろう(撮影:今井康一)

政府が掲げる「一億総活躍プラン」の一つの柱は、非正規雇用の待遇改善になりそうだ。非正規雇用の賃金を正規の7~8割程度(欧州並み)まで早期に引き上げるとの目標が、参議院選挙前に発表される成長戦略に明記されると、一部メディアは報じている。具体的には、①正規雇用と非正規雇用の不合理な格差を解消する指針を作る、②労働契約法などを改正し社員の技能などを給与に反映させる、という。

ただ、「指針作成」や「法改正」が「不合理な格差」の解消に本当につながるのか、筆者が不勉強な部分はあるかもしれないが、強い疑問を持っている。というのも、日本における賃金格差は不合理なのかどうか明確ではないと認識しているからである。

正社員賃金の合理的な上乗せ部分

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言うまでもないが、労働者間で賃金の違いがあっても必ずしも不合理ではないし、また「同一の仕事」をしているようにみえて、実は同一ではないケースも多い。たとえば、正社員と同じ仕事をしているのに賃金が安いパートタイム労働者はいるかもしれない。ただ、正社員は、配置転換による職務変更や転居の可能性、残業やトラブル対応の呼び出しなどに備えなければならないケースも多い。それらのプレミアムが正社員の賃金に、合理的に上乗せされている部分がある。

また、正社員は、長期雇用かつ年功賃金が採用されるケースが多いが、これは会社への貢献度に応じて賃金を後払いする仕組みである。一方、非正規社員の給与水準は時々の労働需給に応じて決まる。正社員と非正規社員で賃金支払いのタイミングが異なるのだから、賃金水準が異なるケースも多いだろう。また、年功賃金制度は時代遅れの制度で見直しが必要との見方が多いが、それは極端で筆者は賛同できないのだが、それについては別の機会に述べる。

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