「誰にも言えない」お腹の悩みから脱する知恵 便秘も下痢も原因を突き止めれば対処できる

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<胆汁性下痢>

食事をした30分から1時間後に急にお腹が痛くなり、トイレに駆け込むや何回もくだしてしまう。こんなことが何年も続き、薬を飲んでも効果がなかった方は、胆汁性下痢かもしれません。

胆汁性下痢の場合は食事を抜けば症状が出ません。起こるタイミングが食後の場合は、胆汁性下痢が疑われます。胆汁性下痢は自分ではどうすることもできないため、病院の受診をおすすめします。

<潰瘍性大腸炎やクローン病、大腸がんによる通過障害や膵炎や膵臓がんなど、お腹の病気に伴うもの>

ここまで触れてきたタイプの下痢は長期間にわたるものですが、もし最近になって急にくだすようになったとしたら、大腸や膵臓の病気のサインかもしれません。とくに短期間で出現した下痢のほかに急激な体重減少や微熱、血便などもあらわれていたら、がんや炎症などの重篤な病気である可能性はさらに高まります。すぐに病院を受診してください。

試した方から、喜びの声続々の「腸マッサージ」

「どうしたら、お腹問題を解決できるのだろう」――そう考え、考案したのがこれからご紹介する「腸マッサージ」です。

マッサージといっても、本当に簡単です。

<上体ひねりマッサージ>

① 足を肩幅よりやや広めに開いて立ち、両手を左右に広げて、背筋を伸ばす

② 力を抜いて左右にひねる

<左腹トントンマッサージ>

① 腰の下に5センチ程度の枕や座布団を敷いて仰向けになる。軽く膝を立ててもよい

② 両手指をピンと伸ばし、おへその左下あたりに右手、わき腹に左手を当て、下行結腸を両側からゆらすイメージで左右交互にトントン押す。

<下腹部トントンマッサージ>

① 腰の下に5センチ程度の枕や座布団を敷いて仰向けになる。軽く膝を立ててもよい

② 両手指をピンと伸ばし、おへその両脇に当て、S状結腸を両側からゆらすイメージで左右交互にトントン押す。

画像をクリックすると販売サイトにジャンプします

この3つを1分ずつやればOKです。落下腸の人の場合は、「腸押し上げマッサージ」を加えるといいでしょう。やり方は以下です。

<腸押し上げマッサージ>

① 腰の下に5センチ程度の枕や座布団を敷いて仰向けになる。軽く膝を立ててもよい

② 左右の両ももの付け根に両手を当てる。お腹が少しへこむくらいの圧力を保ちながら、大腸全体をゆさゆさおしあげるイメージで両手をおへその下まで動かす

③ ②と同じ要領で、右側と左側も押し上げる。中央、右側、左側という具合に繰り返し、約1分間行う。

人の不調を治すお手伝いをするのは、病院や医師の務めです。もちろん便秘や下痢に隠れた、腸の炎症やがんがないかどうかは病院で確認する必要がありますが、自分の体に何が起きているのかを、ご自身が理解し、みずから不調を解消できることが、実はもっとも大事なことです。

水上 健 独立行政法人国立病院機構 久里浜医療センター医師

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みずかみ たけし / Takeshi Mizukami

1965年福岡県生まれ。1990年慶應義塾大学医学部卒業。2000年に医学博士。専門は大腸内視鏡検査・治療、過敏性腸症候群(IBS)・便秘の診断・治療。横浜市立市民病院内視鏡センター長などをへて、独立行政法人国立病院機構(NHO)久里浜医療センター内視鏡検診センター部長、ハイデルベルグ大学Salem Medical Center客員教授。自身が開発した無麻酔大腸内視鏡挿入法「浸水法」は、スタンフォード大学・UCLAなどをはじめ国内外で広く導入され、近年ではこれを活用して、腸管の異常形態である「ねじれ腸」「落下腸」を発見。

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