「誰にも言えない」お腹の悩みから脱する知恵 便秘も下痢も原因を突き止めれば対処できる
大半の場合、「卒業」のきっかけは、「この下痢はストレスのせいなんだ」「体質で仕方がないんだ」と原因がわかることです。もちろん、これだけでは、おおもとの原因である仕事上などのストレスは軽減しません。それでも、自分の不調の原因がわかるだけで気が楽になるのでしょう。
もっと言えば、いい意味での「あきらめ」や「悟り」の境地のようなものにいたり、下痢がパタリと止んでしまう場合も多く見受けられます。
過敏性腸症候群を表すものとして、「便秘と下痢をくりかえす」というキーワードがよく使われます。そして、ストレスが原因ではない過敏性腸症候群は、「ねじれ腸」や「落下腸」といった腸の形の異常を持つ方がほとんどです。
腸のまがりやねじれに硬い便がひっかかって栓となり腹痛を伴う便秘になり、硬い便の栓が出ると引き続いてたまっていたゆるい便が下痢として出る――すなわち便秘と下痢を繰り返すのです。
この「ねじれ腸」「落下腸」による便秘と下痢の繰り返しを解消するには、やはり最初の原因である便秘をなんとかすること。そもそも便がつまらなければ、大腸が水分を多めにだすこともなく、下痢になることもありません。
お腹問題は、食生活と密接に結びついています。下痢の場合も、食生活を省みることで改善の糸口がつかめることが少なくありません。
たとえば、牛乳を飲むとお腹がゴロゴロするという人は、牛乳不耐症の体質と考えられます。牛乳不耐症は体質であり、病気ではありません。したがって「治る、治らない」の問題ではないので、牛乳を飲まないようにして下痢を解消するしかありません。アルコールのとりすぎも、便がゆるくなる原因になります。
お酒やコーヒーの飲み過ぎにも注意
過量のアルコールは、消化不良と腸管運動の促進で下痢になります。毎日のようにアルコールを多く飲む人で、下痢で困っている場合は、いったんアルコールを控えて結果を見てみるのも一法です。
コーヒーを愛飲していて下痢気味の人も、多く見られます。コーヒーには、大腸ぜん動運動の亢進作用があります。これにはポリフェノールの影響があるとも言われています。したがって、飲みすぎると便がゆるくなりすぎて下痢になってしまうのです。
日本ではアイスコーヒーが好まれます。人によっては一日に500~1000ミリリットルを飲むこともざらでしょう。暑い時期はなおさらです。ただ、何事も「ほどほど」が重要です。1日当たり1~3杯くらいにおさえるのがいいでしょう。
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