「誰にも言えない」お腹の悩みから脱する知恵 便秘も下痢も原因を突き止めれば対処できる
便がくだる。便がつまる――。
いわゆる便秘や下痢は、私たちにとって、もっとも身近な健康問題の一つでしょう。身近であるがゆえに、軽視されてきたことも事実です。たかが便秘、たかが下痢。単にお通じの具合が悪いだけで検査しても、「がん」や「炎症」など命にかかわる病気がない、ほかの病気に比べたら深刻度はぐっと低い。そういう認識は、本来なら専門家としてお腹問題に取り組むべき消化器内科医の間でも、根強く残っていました。
しかし、ご本人にとっては大問題です。一週間に一度、お通じがあればいいほう。いつもお腹に違和感を抱えて、イライラしてばかり。気分が悪く、集中力も続かない。あるいは電車のなかや授業中、会議中などに急にお腹が痛くなってトイレに駆け込む――。通勤時間帯のターミナル駅のトイレは、たいてい混雑しています。
便秘・下痢というお腹問題は、私たちにもっとも身近であると同時に、精神面、そして人生の質そのものに、大きく深く関係する問題といっても過言ではありません。拙著『女はつまる 男はくだる』(あさ出版)でも解説していますが、お腹の不調を解消するためには、とにかく不調の原因を突き止め、対策を講じることです。
といっても、何も難しいことはありません。私が考案した腸マッサージを行うこととあわせて、少し、生活習慣に気をつけていただくだけです。
日本人の大半は「腸の形が変」
私はこれまで、2万人以上の患者さんの腸を見てきました。そこで気付いたのが、日本人の大半は「腸の形が変わっている」だということです。
通常、腸の形といえば、ゆるく四角形を描くようにして、お腹に収まっているとされますが、私が見てきたじつに8割の人が、電話コードのように大腸がねじれている「ねじれ腸」、大腸が落ちている「落下腸」のいずれか、あるいは両方でした。そして、この「ねじれ腸」や「落下腸」の人の多くが、便秘や下痢に悩まされているのです。
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