5位の東北大は、進路指導教諭に聞いた「入学後に生徒を伸ばしてくれる大学」ランキングで1位が定位置となっている。学生を厳しく鍛えるゼミや研究室での指導に定評があり、送り出した生徒が伸びている実感を持つ教員の多いことが、高い順位の要因となっているようだ。
ランキングの上位には、東北大、大阪大、北海道大などの旧七帝大や、東京工業大、一橋大といった、伝統校が名を連ねる。そうした中、6位には、比較的歴史が浅い大学ながら、国際基督教大が入っている。定評ある少人数でのリベラルアーツ教育はもちろん、語学教育や留学生とともに学ぶ環境など、グローバル人材養成という視点からも注目されているのだろう。
大学序列を突き崩した国際教養大
グローバル化という文脈からは、9位の国際教養大も注目される。2004年の開設以来、12年の歴史しかない大学だが、全ての授業が英語で、1年次は留学生と一緒に寮生活を行う。さらに、海外留学も必須となっている。グローバル人材の養成に向けたシステムが充実しており、育った卒業生が大手企業への就職という結果を出していることが評価されているのだろう。
定着した大学の序列を崩すのは大変なことだが、国際教養大はそれを成し遂げた数少ない大学といえよう。
ちなみに、ランキングの上位10校は全て、文部科学省からスーパーグローバル大学に採択されている。日本のグローバル化を牽引していく大学を生徒に勧めたいという意識もあるのだろう。
旧七帝大の内、東京大や京都大など5校がベスト10に入る中、九州大(16位)と名古屋大(17位)の順位が低い。両校はともに地元の学校の占有率が高い大学。これは、地元志向の強さからくるものだが、他地域の進路指導教諭からの注目度がやや低いことも、志願者が地元の学校に偏る要因なのかもしれない。
進学校の進路指導教諭が、無条件に勧める大学のランキングは、志望校選びの際、大いに参考になるのではないか。
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