藤原:そのコミュニティーソリューションの中でも、付加価値レベルが高い仕事と、低い仕事に分かれていくと思う。
渡邉:なるほど。現実には、付加価値が低い仕事のほうが7割ぐらいを占めていますよね。おそらく、放っておくと失業率がどんどん上がっていくでしょうね。
藤原:はい。そうだろうなと思います。
メーカーは日本を出ていく
藤原:一見、今までの話と関係ないように思うかもしれないけど、これからの仕事を考えるには、エネルギー問題は抜きにできません。私の推測ですけど、20年後に、日本の消費総電力量は半減していると思います。
渡邉:そんなに減りますか。
藤原:減ると思うね。
まず、家庭の節電が完全に常識になっていて、子供たちにも節電の習慣がますます付いていく。それに、日本の家電メーカーや建設業界は、省力化の技術が高いので、節電のモデルがどんどん出てくると思うんですよ。しかも、もう少し時間が経つと、人口だけでなく世帯数も減っていく。そうなると当然、家庭の電力消費量も減っていくはずです。
もう一つ大きな要因として、為替水準にかかわらず、日本のメーカーはもう海外に出ていかざるをえないと思うんですよ。電気代がまず高くなるでしょ。それから消費地に工場が近くないと、メーカーはどんどん不利になりますから。ずっと頑張っていたトヨタでさえも、もう厳しいでしょう。消費電力量の非常に大きい製造業が海外に出ていけば、産業界全体の消費電力量も下がってくると思う。
だから、家庭と産業の両方の電力消費量が減ることで、半減は大げさだとしても、現在の7、8割ぐらいまでには、消費量は下がると思うんです。そうすると、原発はもういらないんですよ。20年後は、半減した消費電力量のうち、半分を自然エネルギーが占めるというのが理想になると思うし、それが可能になるんじゃないかな。
渡邉:その話と仕事の話はどうつながってくるんですか?
藤原:結局、仕事が海外に出ていっちゃうということ。
渡邉:つまり、失業率が上がる?
藤原:そう。もしかしたらわれわれが想像するよりも早く。
(撮影:梅谷秀司)
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