新入社員は「長期目標」を立てるべきではない 外部環境も自分の心も、大きく変わっていく

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社会に出た際に不安を感じるのは、なぜか。それは将来を見るための知識も経験もないからです。仕事において自分の力が通用するかどうかも分からないし、そもそも社会人として一人前になることの意味すら分からないわけです。

自分の立ち位置を手探りで探し出す、全く先が見えない状態なわけです。したがって不安になるのは当然なのです。逆に言えば、この先社会人としての経験を徐々に積むにつれて視野が開け、自ずと社会や会社というものの中における自分の立ち位置もレベル感も、そして自分にとっての向き不向きも見えてきます。ですから、心配は無用です。

仕事をしているうちに自分も変わる

なぜ硬直的な長期目標を立てても意味がないのかというと、外部の環境も内部的な状況も、必然的に変化するからです。このうち後者はまさに前述の、視野が開けるというプロセスと同様の事です。

外部の環境も大きく変わっていきます。会社が倒産する、というのが一番分かり易い例です。自分を取り巻く環境は変化するため、「今現在の自分」にとって見えている環境を前提としたプランを立てても意味がありません。その昔、大企業に入れば安泰なんて言われていた時代もありましたが、もはやそういった時代ではないのはご存じの通りです。家族が出来たとか、どうしても引っ越しをしなければならない、というのも自分を取り巻く環境の変化です。

そして内部、つまり自分の心にも変化が生じます。経験を積むにつれて、視野が開け、若い頃の自分が想像もしていなかった仕事をしている人なんてざらにいます。私自身もその一人です。そして、そういった経験を積むにつれて自分にとっての仕事を選ぶうえでの優先順位に変化が生じたり、仕事をする上での自分の価値観に変化が生じる事もいたって普通の事なのです。

そう考えると、新卒の段階で「たまたま」入った会社がそもそも一生自分にとって合う会社かというと、そうとは言い切れないと思います。仕事があっての人生ではなく、人生があっての仕事ですから、現在は40年後の自分の仕事が見えなくても、そういった自分と、自分を取り巻く環境の変化を読みつつ、仕事をその時々で選べば良いのです。

したがって、無理に40年後を見ようとする必要はありません。外部・内部双方の環境が変わる、すなわち将来に不確実性がある以上は、やるべきことは現在の前提を基に長期的な目標を立てるのではなく、むしろ目の前の短期目標を絶え間なくクリアする、そして何が起きても折れない柔軟性を身に付ける、という事に尽きます。

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