5月病は「4月の過ごし方」次第で予防できる 「嬉しい」「楽しい」感情もストレスに化ける?

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特に日本社会では、年度替わりの4月に最も「変化」が多いのです。職場や学校の環境が変わる、人の異動がある。自分が変わらなくても周りが変化することもあります。新しい環境に合わせて引っ越しのシーズンでもあり、これも非常に大きな変化の一つとなります。

その大きな変化によるストレスが蓄積され、心身に影響が出てくるのが、5月のあたりなのです。これが5月病の正体です。

単に長い休みの後に憂うつになる病だとしたら、お盆休みだって、年末年始だってあるはず。なのに、中でも「5月病」がことさら問題視されるのは、こういう理由があったのです。変化の多くあった人ほど、しっかり対策を取ってくださいね。

万人に共通する「いい気分転換」はない

では、何をすればよいのか。まずは自分が好きなことをするのがいちばんです。職業柄、「いい気分転換の方法を教えてください」と聞かれることはよくあります。しかし、残念ながら適切な回答はありません。なぜなら、人がいいと思うことが、自分にとっていいとは限らないからです。

身体を動かすことが好きな方はスポーツをすればよいと思いますが、運動が苦手な方がスポーツをしてかえってストレスを溜め込むこともあります。温泉に行ってリラックスできると思う人がいる傍ら、人と同じ湯に入るのが気持ち悪いという理由で温泉が嫌いな人だっています。

自分が気持ちいいと思うこと、リラックスできることであれば何でもよいのです。ゲームでも、歌うでも、食べるでも、眠るでも、散歩でも、なんでもOK。人と同じでなくても構わないのです。

この時期、平日も休日も忙しいという方は多いでしょうが、リラックスの時間を意識的につくることが大切です。緊張感を伴う忙しさの中で、自分の時間が持てず、ストレスの発散ができないままでいると、後で大きな代償を払うことになりかねません。

自分の気持ちを見つめ、今の時期に自分のための時間を少しずつでも作っていくことによって、5月病は予防できます。新緑の時期をすがすがしい気持ちで毎日を送ることができるよう、今日から、心がけてみて下さい。

大野 萌子 日本メンタルアップ支援機構 代表理事

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おおの もえこ / Moeko Ohno

法政大学卒。一般社団法人日本メンタルアップ支援機構(メンタルアップマネージャ資格認定機関)代表理事、産業カウンセラー、2級キャリアコンサルティング技能士。企業内健康管理室カウンセラーとしての長年の現場経験を生かした、人間関係改善に必須のコミュニケーション、ストレスマネジメントなどの分野を得意とする。現在は防衛省、文部科学省などの官公庁をはじめ、大手企業、大学、医療機関などで年間120件以上の講演・研修を行い、机上の空論ではない「生きたメンタルヘルス対策」を提供している。著書に『よけいなひと言を好かれるセリフに変える言いかえ図鑑』(サンマーク出版)がある。

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