会員が猛反発!太平洋クラブ再生案否決の舞台裏

■会員を怒らせた「三井住友離脱」と「アコーディアのスポンサー就任」

太平洋クラブは毎年11月に男子トーナメント「三井住友VISA太平洋マスターズ」をTBS、三井住友VISAカードとの3社協賛で開催してきた老舗の名門ゴルフ場経営会社。国内に18コース(所有17+提携1)を展開しており、中でも三井住友VISA太平洋マスターズの会場でもある御殿場コースは、ゴルファーにとって「一度はプレーしてみたいあこがれのコース」である。

太平洋クラブはもともと、平和相互銀行の子会社として誕生。平和相互銀行が住友銀行に吸収合併された1986年以降、住友銀行(現・三井住友銀行)系列のコースになった。

この十数年、大手のゴルフ場経営会社が次々と破綻。大半がアコーディア・ゴルフとPGMホールディングス(ともに東証1部上場)の2大外資(現在は両者ともに国内資本に移行)傘下に吸収されていく中、太平洋クラブは三井住友ブランドの絶大な信用力を背景に、今年1月23日の民事再生法適用申請の当日まで会員権が売れていた。

それだけに破綻後、次々と明らかになっていく事実に、会員からは怨嗟の声が上がった。

まず1点目は、三井住友銀行グループが5年も前に、太平洋クラブの株式と貸付債権を東急不動産系など3つのファンドの連合体に売却して完全に撤退していたのに、それが対外的には公表されていなかったことだ。そのことがこの5年間に会員権を取得した会員だけでなく、平和相互銀行傘下時代からの古参会員の怒りをも買った。

 2点目は、スポンサー候補がアコーディア・ゴルフだったこと。今回の民事再生は、あらかじめスポンサーを決めて申し立てるプレパッケージ型。申し立て前に会社側が内々に選定を進めるため、プレパッケージ型はそもそもスポンサー選定経緯に不透明な印象を与えやすい。

しかもアコーディアは、「大量集客でコースが大混雑、予約も会員よりプレーフィー単価の高いビジター優先のため会員が予約をとれず、それゆえ会員権相場もつかない」という評判が、ゴルファーの間でほぼ定着してしまっている。アコーディアにとっては不本意でも、ゴルファーの間にこういった評判が定着してしまった現状はいかんともしがたい。

そのうえ、当事者は公表していないが、民事再生法申請からまもなく明らかになった、アコーディアのスポンサー拠出金額は286億円。ゴルフ場買収のプロから見ると破格の高値だった。「そんな値段で買われたら、いったいどんなむちゃな運営をされるかわからない」という恐怖が会員の間に広がり、アコーディアのスポンサー就任阻止を旗印に、会員組織が相次ぎ結成された。

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