会員が猛反発!太平洋クラブ再生案否決の舞台裏

太平洋クラブもこの慣習にのっとり、GKに200億円払った残りの86億円のうち、コースの改修費や会社の必要運転資金を除いた47億円を、約1万3600人の会員の配当に回す案を作った。たとえ200億円で買った債権でも、GKには568億円の返済を求める権利が法的にはある。再生計画では実際にGKが負担した分(推定約200億円)だけもらって残りは債権放棄します、というわけなのだが、一方の会員の配当率はわずか7%にすぎない。

そもそもGK(=ファンド連合)は太平洋クラブの親会社。形式的に債権者の形をとっているだけなのに、親会社責任を取らないどころか、自分たちだけが全額回収を狙って会員にツケを回そうとしているように、会員の目には映る。

GKとしては、最大回収を狙わなければ、投資家から訴えられるリスクがあるわけだが、この案で会員に納得せよというのは土台無理な話だった。

1万3000人を超える会員債権者を1カ所に集めた債権者集会開催は現実的ではないため、東京地裁は9月25日を締め切りとする書面投票で計画案への可否を問うことを決定。8~9月の2カ月間で、プロキシーファイトさながらの熾烈な集票活動が、会社と会員組織の間で展開されたことは言うまでもない。

■法のテクニックを駆使した2週間の攻防

9月25日に投票を締め切り、翌26日には結果が判明するはずだったのに、なぜその1週間後の10月3日に債権者集会が開かれたのか。それは、会社側の敗色が濃厚になった9月14日になって、GKが最後の抵抗に出たからだ。

債権者に再生計画案の可否を問う方法としては、債権者集会を開催してその場で決議をするのが本筋。書面総会に不服がある債権者には、債権者集会の開催を求める権利がある。この権利は書面投票期限の前日まで行使が可能。裁判所はこの申し立てを受けたら債権者集会を開催する義務を負う。

この規定を使い、GKは債権者として集会開催を求めた。条文上はそれまで裁判所に郵送で届いている票を無効にすることも可能だが、民事20部は投票の締切日を10月1日まで延ばし、10月3日に債権者集会を開催する妥協案を提示。GKもそれ以上の抵抗はしなかった。

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