3月中旬、午前8時ごろ。ドイツ人、メキシコ人と東京・品川駅構内を歩いていると、何か面白いものを見つけたかのように急にはしゃぎ始めた。
「これがリアル・ジャパンだ!」
目の前には勤務先へと急ぐ会社員の群れ。日本人にとっては見飽きた毎朝の通勤の風景だ。だが彼らにとっては、その様子こそが新鮮らしい。
「ここまで多くの人が規則正しく歩く姿を、今まで見たことがない」
ポケットからiPhoneを取りだし、出口へ向かって一方向へと突き進む集団を何枚もカメラに収める。日本人にとっては当たり前の光景が、外国人にとっては珍しいのかと、新たな日本の側面を発見した瞬間だった。
地位が低下する日本を、ハーバード生はどう見るか
3月中旬にハーバードの大学院、ケネディスクールの学生を連れて日本を旅した。行き先は東京、福島、京都で、期間は1週間。日本をより深く知ってもらい、“日本ファン”を増やしたいとの思いから、ケネディスクールの日本人学生がボランティアで企画した旅だ。
参加者は米国、フランス、ロシア、リトアニア、ガーナ、スーダン、ブラジル、チリなど計20か国の48人。年齢も20代から50代と幅広い。そんな多様な人材が日本をどう見て体験したのか。
そんな彼らの様子を今回は紹介したい。
そもそもハーバードは日本をどう見ているのだろうか。昨年夏からハーバードで学びながら感じるのは、世界における日本の地位の低下だ。