デキる人は「努力」と「正論」を過信していない

酒井穣×太田彩子、2020年「働き方のリアル」

これからの時代は、どんな女性が活躍するのか
営業部女子たちから日々、「今までの売り方では通用せず、将来がまったく見えない」「昨日まで売れていた商品が急に売れなくなった」といったお悩みが寄せられる昨今。これからのキャリアを、どんなふうに展望していけばよいのでしょう……。
そんな漠然とした不安を解消するための”ヒント”を探るべく、人材・組織マネジメントなどの分野で数多くの人気著書を手掛けている酒井穣さんと「2020年の働き方のリアル」について語り合いました。
本日お送りする後編のテーマは、これからの時代の「デキるビジネスパーソン」、そしてこれからの時代の「幸せ」について。
前編:5年後、日本は女の「名ばかり管理職」だらけ?

 

太田彩子(以下、太田):酒井さんはこれからの時代、どんな女性が活躍していくと思いますか?

酒井穣(以下、酒井):これは女性に限らず、仕事全般における話なのですが、「努力を過信しない人」ですね。

太田:一般的には「努力は人を裏切らない」と言われていますが、そうじゃないと?

酒井:いや、努力は重要ですよ。でも、ちゃんと成績を残す人は、努力だけで成績を残せたとは思いません。たとえば、野球なら努力次第でバッターボックスに立つことができると思います。でも、そこから3割バッターやホームランヒッターになるには、努力だけではないですよね。誰もが努力だけでイチロー選手みたいになれるわけではありません。

その「努力以外のなにか」の中身には運や才能もあるでしょう。ですが、それだけではないと思います。会社の中も同じで、ただひたすらに自己犠牲的に働いてきた人が、部長や役員になるとは限らないじゃないですか。

今どき「コバンザメ部下」はハイリスクすぎる

太田:たしかに、そこは予想しにくいですね。

酒井:繰り返しますが、努力は大事ですよ。ただそれ以上に、簡単に言ってしまえば「努力の方向」を考えることが大事なんです。たとえば、「やるべきだ」と感じている勉強を放置していたりしないでしょうか。ずっと一生懸命働いていても、いまだに英語ができないとか、経営学の基本的なことがわからないとか、そういうことになっていないでしょうか。

太田:きっと努力や結果だけが出世のポイントではないですよね。

酒井:大抵の場合、会社で出世するためには2つのパターンがあります。ひとつは、自分の「上司のコバンザメになる」タイプ。その人に運があれば、上司が出世する毎に、自分も上のほうに引っ張ってもらえるかもしれない。その代わり、上司が出世するかは予測できないし、上司が失墜した場合、自分も閑職に追いやられるかもしれない。

太田:かなりハイリスクですね。

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