ハーバード生を「日本で接待」して見えたこと 存在感の薄い日本をアピールする方法

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実際に文化の違う20カ国もの学生を連れて旅すると、毎日予想外のことが起きる。降車時も切符がいるとは知らず、乗車後に新幹線のチケットを捨ててしまう、地下鉄で迷子になり予定時間に来ないなど、ハラハラする場面が何回もあった。

指摘された「日本人の弱点」

旅の途中に「無事に旅を終われるのだろうか」と何度も頭をよぎったのだが、そんな不安な私の様子を察したのか、「もっと肩の力を抜いて、どうにかなるよ」とラテンの国から来た参加者に励まされた時にはハッとした。

予定通りの完璧な旅を提供したいと質の高さを求める代わりに、仲間との旅を楽しむという気持ちを忘れてしまっていたからだ。

「長時間働く仕事でもそう。質の高さを求める代わりに、日本人は何か大切なものを犠牲にしている」と、そのラテンの友人に続けて言われた時は考えさせられてしまった。

ケネディスクールの卒業生には、各国の首脳や国際機関のトップなどが大勢いる。日本でも安倍政権の歴代閣僚に卒業生を輩出している。

今回参加した48人の中に、将来母国の大物になる学生はいるのだろうか。

もしそういった人材が将来、国や世界を導くリーダーとなった時に、「あの時の日本旅行はハーバードでのいちばんの思い出だ」と振り返り、何かしらの形で日本に力を貸してくれればいい。

実際に旅を終えてキャパス内で参加者に会うと、誰もが笑顔で「楽しい日本旅行をありがとう!」と言ってくれる。

存在感は薄れているが、日本には素晴らしいサービスや文化がある。だが世界はあまりに広く、日本を体験し知る機会は少ない。もっとうまくアピールして、日本を触れる機会を増やせば、日本のよさが伝わり、国際的な地位も上がるのではないだろうか。
 

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