ローソン、SNS躍進の仕掛人 "お荷物社員"を変えた出会いと学び

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炎上を防ぐノウハウ――初期消火が大切

批判の少ない「あきこちゃん」だが、ネット上では“炎上”に近い状態も経験している。12年4月、公共無線LANサービス「LAWSON Wi-Fi」を開始した際のこと。

ツイッターで影響力の強いユーザーから「セキュリティポリシー上、規約が弱いのでは」との指摘が上がったのだ。法的には問題なかったのだが、「ローソンが反論しても、その方の周囲では納得感がなかった」。

「社内では『なんでウチが謝んなきゃいけないんだよ』みたいな反応もありましたが、いろいろなSNSのログやブログをあえてプリントアウトして膨大な資料にして、『こんな状況です』と上司に訴えました」

「これが正しいからという問題ではなくて、世論的にこう言われているんだから、それに対して企業としてはこう返すべきじゃないですか、と社内で丸一日、侃々諤々(かんかんがくがく)の議論をしました」

サービス開始から4日後、ローソンはログインにパスワード変更機能を追加するなどセキュリティ強化方針を発表し(実施は5月から)、ネットでの炎上を食い止めた。SNSに真摯に取り組んでいたからこそ、早めの「火消し」に成功したといえる。

“敵”は内にもいる。14万人いるローソンクルーの不用意な書き込みだ。商品の発売情報などが漏れないよう、指導を徹底するのも重要だ。「クルーがツイッターで余計なことをつぶやいたりしないように、いかに早く検知して、本人を特定して再指導するかが重要。研修段階から指導したり、雇用契約書にも明文化して、罰則規定など社内の仕組みから全部変えました」。

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