81. 東銀座駅と直結する地下部分には「木挽町広場」があり歌舞伎の切符売り場、土産物店、コンビニなどが並ぶ
82. しかし歌舞伎座に入場するには木挽町広場のエスカレーターで一度地上に上がり、正面玄関から入る形になる
83. 新開場に際し正面玄関には「櫓(やぐら)」を設置。櫓は芝居小屋にとって幕府公認の証でありその名残を残す
84. 櫓や屋根瓦には歌舞伎座の定紋・鳳凰紋が入っており、この鳳凰紋は法隆寺の宝物「鳳凰円文螺鈿唐櫃」に由来
85. 「大間」と呼ばれる正面ロビーに敷かれた赤い絨毯は京都・平等院鳳凰堂の装飾をモチーフに制作された
86. 絨毯に描かれている四羽の鳥は「咋鳥(さくちょう)」と呼ばれ〈幸運を招く〉とされている
87. 第五期歌舞伎座の正面右手には歌舞伎関係者と劇場の安全を見守る「歌舞伎稲荷大明神」が祀られている
88. 第四期歌舞伎座時代は木挽町通り沿いの敷地内にあったが、今回の建て替えによって歌舞伎稲荷も美しくなった
89. 土産物は地下の木挽町広場にある歌舞伎グッズ店「かおみせ」のほか劇場一階や三階の売店でも購入できる
幕間の食事には
90. 食事処は二階に「鳳(おおとり)」、三階「花篭」「吉兆」があり幕間に食事が可能。一階には喫茶室「檜」がある
91. 歌舞伎座名物といえば紅白の餅入り「目出鯛焼き」。新しい歌舞伎座でも三階の売店で購入することができる
92. 歌舞伎座は併設の29階建てオフィスビル「歌舞伎座タワー」とともに〈GINZA KABUKIZA〉と命名された
93. 劇場から直通はできないが、歌舞伎座タワーの5階には日本の伝統文化を伝える歌舞伎座ギャラリーを新設
94. 同じ5階にある庭園には江戸後期に活躍した劇作家・河竹黙阿弥が晩年過ごした家の石灯籠などもある
95. また同フロアの「スタジオアリス歌舞伎写真館」では有料で歌舞伎衣裳&化粧姿で記念撮影も可能だ
96. 歌舞伎座タワーの1~3階は楽屋、4階に稽古場、地下1階に中奈落、そして地下2階には大奈落が設けられた
97. 歌舞伎役者や関係者が出入りする楽屋口は歌舞伎座タワーの1階。以前と同様、昭和通り沿いにある
98. 楽屋口を入ると楽屋を統括する「頭取」がおり、その部屋の前に出演者の名が記された「着到板」がある
99. 楽屋入りした役者は自分の名前に赤いピンをさすのが規則。着到板は出席簿であり毎月新しく制作される
100. 楽屋内には若手が宙返りの稽古に使う砂場「とんぼ道場」や役者が使用する風呂場なども設置されている
(文:寺田薫/モノ・マガジン編集部)
参考文献・HP/「歌舞伎座物語」(PHP研究所)「銀座建築探訪」(白揚社)「つなぐ建築~対談集」(岩波書店)「失われた近代建築」(講談社)「私の歌舞伎座ものがたり」(朝日新聞出版)、歌舞伎座、松竹、歌舞伎美人ほか関連HP
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