従軍慰安婦問題の合意はコペルニクス的転回
美根:今、朴槿恵(パククネ)大統領は、北朝鮮との関係でとても怒っているようです。
木本:それはなにに対してでしょうか。
美根:北朝鮮の振る舞いです。彼女が政権についたのは2013年。最初のころはいろんなことを前向きに交渉する姿勢でしたが、今回の核実験やミサイル発射をきっかけに怒っていて、非難する言葉も強くなりました。反比例とは言えないでしょうが、ほぼ同時に日本との関係に協力的になりました。
木本:いつからでしょうか。
美根:11月の安倍首相との会談からです。年末に従軍慰安婦問題について日韓合意ができた。私も官僚時代に、慰安婦問題に関わりましたが、よく韓国政府がここまで同意したと思います。
木本:大きな譲歩だったということですか。
美根:ものすごい譲歩です。それまでは日本政府を批判する立場で、大統領が口を開けば「歴史問題を直視せよ。日本の指導者は逃げている」、「解決しないと日韓関係は発展しない」と言っていた。
ですが、この合意の後は、日韓両政府が同じ方向を向いて、「両者が協力しながら慰安婦問題を解決しよう」、となった。それは180度変わったと思います。私はコペルニクス的転回と思っているくらいです。
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