木本:これまで先送りしてきたのに、頑な態度が前向きになったのはなぜでしょう。
美根:オバマ大統領の度重なる要請と、国内の経済界の要望がじわじわと効いてきたことが大きいのではないですか。
政治より経済のロジックが強いほうがいい
木本:そこは日本との関係緩和にも繋がっていることですね。
美根:その通り。結局、政治問題が常に先で、歪んでいました。それが無くなると、経済的なロジックが大きな意味を持ってきました。しかし、中国と疎遠になるかというとそうではなく、最大の貿易相手国ですから、そこは変わらない。日本との関係でも、一位ではありませんが、日韓貿易は大事で、資本財の輸入は韓国の成長や輸出にとっても必要です。日韓間でも中韓間でも経済関係は重要ですから、政治関係よりも前面に出るのはいいことです。政治からの圧力で歪んでいたものが、重しが取れて正常化したという側面がありますね。
木本:バランスが取れてきた。もっと早くいい関係になれれば良かったのに。
美根:なかなかそうは上手く行かないわけです。
木本:オバマさんの要請もあったし、タイミングも大事だったのですね。
美根:それから北朝鮮の挑発行動で、韓国は中国に対する不信のようなものが芽生えた。やるべきことをやっていないと朴さんは思ったのではないでしょうか。
木本:いろんな条件が重なってようやく関係改善に進展していったのですね。しかし時間がかかりますね。
美根:日本としては韓国のことをもっと知らないといけません。なぜ韓国の態度がこれだけ変わったのかは大きな問題なんです。関係が改善するのはいいけれど、悪いほうに変わった時には、なぜかというのことをきちんと理解しなければいけません。
木本:今回のケースは30度や90度じゃなくて、180度変わりましたからね。そこをきちんと理解できて、たいへん勉強になりました。ありがとうございます。
(構成:高杉公秀、撮影:梅谷秀司)
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