北朝鮮による第4回目の核実験と「人工衛星」ミサイルの発射を非難し、制裁を強化する国連安保理の決議が採択されるまで2カ月近い時間がかかったが、3月2日、ようやく成立した。しかし、制裁へ向けた各国の足並みはそろっていない。課題は山積したままだ。
いったいどのような課題があるのか、みていこう。
「厳しい決議」とはなったが
まず、核実験から2カ月近くが経過してようやく安保理決議が採択されたのは、なぜなのか。決議採択の準備は1月6日の核実験の直後から始められたので、準備開始のタイミングは決して遅くなかった。
結論がなかなか得られなかったのは、議論が続く間に北朝鮮による「人工衛星」ミサイルの打ち上げという問題が加わったこともあったが、主な理由は、国によって考えが違っていたためだ。中国はとくに慎重であり、各国との思惑の違いを埋めるまでに長い時間がかかった。
新しく成立した決議は、これまで核兵器とミサイルについて採択された諸決議と比べ、はるかに強化されており、北朝鮮への人の出入り、貿易、資金の流れは格段に難しくなった。各国とも決議成立を高く評価し、安倍晋三首相も、「大変厳しい決議となった」と評した。
この強い内容の安保理決議は忠実に実行されなければならない。このことも広く指摘されている。しかし、実は、各国が決議を実行しても、北朝鮮は核兵器とミサイルを放棄しないかもしれないという問題がある。いったいどういうことか。
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