中国が膨張主義をとるのはなぜか?
木本:今回のテーマは日本と中国は仲よくできるのか? 僕の印象では、日中両国はずっと平行線のような印象です。
美根:日本と中国の関係は、長い歴史があると同時に、経済的にはライバル関係もあるので、複雑な要素が絡み合っています。ですから、あまり単純化するのはよくありませんが、一つの鍵は「中国が今何をしようとしているかを知る」ということです。
木本:つまり、中国は何かを目指しているということでしょうか。
美根:中国の狙いは、大国として世界に認めてもらうことです。
木本:アメリカを追い抜きたい?
美根:そこまで自信を持っているとは思えませんが、GDP(国内総生産)という点、つまり経済力ではアメリカを抜くのは間違いないでしょう。しかし、技術力、イノベーションに関して中国はかなり劣っています。
木本:日本よりも劣っていますか。
美根:はい。例えばノーベル賞を見ると、いままで文学賞がひとりだけだった。2015年の医学生理学賞で、日本の大村智さんらと3人の共同受賞で屠呦呦(トゥ・ヨウヨウ)さんが、初めてサイエンス部門でノーベル賞を取れただけ。そんな程度です。日本人は最近、毎年受賞していますよね。
木本:あれだけの人口がいるのにわずか二人しかいないんですね。
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